トップが代わり、時代に見合った変革を唱えて動き出したところ、「少なからぬ社員が会社を去っていった」というのは大手コンバーターの社長。コストの削減、ロスの排除、人手に替わる自動化への流れなどの動きは鮮明で、テキスタイルや服飾資材分野でもAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ICタグなどの技術の進化は日進月歩。しかもグローバルな視点で、経験にとらわれない変革が求められている。
求められる人材は急速に変化している。機械設備にまで踏み込んで物作りの現場と共創できる社員、情報を取り込んで独自のシステムを構築できる社員、海外と対等にビジネスができる社員など、これまでとは違った能力の人材確保、育成が必要とされる。
ベテランと言われる社員の中にはその流れを受け入れられず、先のコンバーターのように会社を去るという選択に至るケースもある。とはいえ、長年培ってきた人脈や経験は一朝一夕で積み上げられるものではなく、貴重な財産でもある。変革を進めながら、ベテラン社員の役割をどう定義していくのか、それも変革期のトップの重要な仕事の一つだろう。
(英)