《視点》直して長く着る

2017/11/21 04:00 更新


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 パタゴニア日本支社はこのほど、店舗内で衣類修理イベント(1日限定)を開いた。ほつれや小さな穴開き・破れといった簡単なものなら、その場で無料修繕するというものだ。取材した横浜の直営店では開店前に約20人が行列を作り、1日で約100人が利用した。

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 イベントでは10年・20年物を持ち込む客も少なくなく、「思い出がたくさん詰まった服を、人はなかなか手放せない」と知った。例えば、11年前に購入し、やや色落ちしたダウンジャケットを持ち込んだ40代の男性客。「当時結婚5年目の記念に妻へプレゼントしたもので、たとえ同じものでも新品と交換する気はない」と記者に答えた。イベント当日はまさにその16年目の結婚記念日。「直したジャケットをサプライズで見せる予定」と笑った。

 「大量生産・大量消費」のシステムや、「使い捨て文化」に疑問を持つ人は多い。「愛着ある服を長く大事に着続けたい」と願う人は、パタゴニアの顧客に限らず、これからますます増えていくだろう。未来の消費のあり様を、まざまざと見せつけられた気分だった。(潤)



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