久しぶりに大阪の実家に帰って家族と話をしていると、母が「スポーツジムに週3回通ってる」と言う。グローバル・フランチャイズの24時間営業のジムで75歳の母が体を鍛えているのだ。「夜11時ごろでも若い人がぎょうさん来てはるわ」と。私が「ということは、その時間帯に(母は)行ってるの」と尋ねると、「そうや」と快活に答えた。
その一方で「今、着てるこの服の値段、幾らに見える。安かったんや」と〝自慢〟する。京都出身の叔母からは「お義姉さん、わたしはそんな場所で服はよう買わへんわ」と嫌味を言われても意に介さない様子。
母は70年代に台頭してきたキャリアウーマン〝女性長期賃金労働者〟の走りで、上質でおしゃれな服はひと通り経験してきた人。今でも多様なコミュニティーに参加して、毎日出歩いている。母は「ピンピンコロリが目標。ヨボヨボで長生きするのは嫌や」とのこと。
健康第一のウェルネス志向はミセス世代以上で特に強い。服だけでない〝健康でおしゃれな生き方〟を導く仕組みが求められている。母は「コロリと逝きたい」と言うが、フィットネスに励む姿からは、ピンピン長生きして、生活を楽しむ意欲にあふれている。(民)