【サンフランシスコ=立野啓子通信員】米大手カジュアル専門店の23年度第1四半期(2~4月)決算は4社合計の売上高が前年同期比1.4%減となった。サプライチェーンの改善による物流費の低下で、全社とも粗利益率が改善したが、企業間格差が大きく、最大手のギャップが減収赤字、アーバン・アウトフィッターズが増収大幅増益、アメリカンイーグルアウトフィッターズは値引き販売が多く増収減益、アバクロンビー&フィッチは増収で赤字から黒字に転じた。
インフレが低・中所得層を直撃し不透明な経済環境のなか、ブランド間格差も大きく、前四半期同様、若年層向けカジュアルは苦戦が続く。一方で在宅勤務から職場復帰する人たちや、旅行やイベントで外出する機会が増えて消費の流れが変わり、目新しいフェミニンな婦人服や、職場で着られる服が好調だ。