ユニーの佐古則男社長はGMS(総合小売業)の改革について、「実需と衝動買いの2軸で」と強調する。強いカテゴリーを徹底的に磨き、実需への対応を強めるとともに、欠落カテゴリーの付加や陳列、表示の工夫で衝動買いを促す。5年をめどに全既存店を改装し、特に来期の上期に集中させて消費増税に備える。
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ユニーはドンキホーテホールディングスの100%子会社としてGMS事業の改革を急ぐ。現在の190店のGMSのうち、100店をドンキとのダブルネームの新業態「メガドン・キホーテユニー」に転換し、90店は既存の「アピタ」「ピアゴ」として残す。メガドン・キホーテユニーは今年2~3月に既存GMSの6店を実験店として転換し、3~8月の売上高は前年同期比90%増の成果を上げた。新業態の方向は見えてきた。課題は既存のアピタ、ピアゴ業態だ。
かつて総合的な品揃えだったGMSは、カテゴリーキラーに市場を奪われた品種を切り離してきた。家電やスポーツ用具など、「お客様視線ではなく、企業の都合で欠落したカテゴリー」を見直し、40代から60代を中心客層とするアピタやピアゴに必要なカテゴリーを白紙ベースで再検討する。その一方で、強みとする精肉や総菜、靴下、肌着、キッチン周りの雑貨などのパワーカテゴリーは徹底強化し、磨き上げる。
実需対応を強め、衝動買いにより新たな売り上げを積み上げることでGMSを改革する狙いだ。衝動買いにつなげる商品バラエティーの拡大のほか、陳列や表示方法のノウハウを蓄積する。
100店のメガドン・キホーテユニーへの転換は5年以内で完了する。残るアピタ、ピアゴの90店についても、「全店を改装したい」。ドンキとの協業で学んだのは、大きく変わったと思ってもらえること。品揃えや見せ方など抜本的に見直す。