ユニチカT、しなやか素材「ゼログ」ヒット

2017/01/04 06:25 更新


 ユニチカトレーディングのポリエステル織・編物「ゼログ」が売れている。梳毛調で高級感ある見た目としなやかな風合いが、16年のレディストレンドとなったガウチョパンツやスカンツにはまった。16年度の販売は、前年比3倍の1万反に達する見込みだ。

 ゼログは、芯に高収縮ポリエステルを配した芯鞘(しんさや)構造のポリエステル長繊維を使っており、ふくらみ感としなやかなハリ・コシを持つ。ゆったりとしたシルエットを作った時に、美しいドレープと体の動きを抑制しない高いストレッチ性を備え、レディス市場でヒットを飛ばした商品に多く採用された。

 深みのあるカラーとパウダータッチによる上質感も特徴だ。異なる2成分の原料を芯鞘に紡糸。それを織・編物にしたあと減量加工により、繊維表面に微細なクレーターを形成。表面積を増やし、染料の吸塵量を最大限に引き上げることで、発色性を高めた。クレーターによって繊維内部で光が乱反射を起こすため、繊維表面の光の反射が少なくなり、より濃色に見える。高級感のある見た目と快適な着心地で、高価格帯の百貨店アパレルブランドやセレクトショップに使用された。

 16年度は90テックスの丸編みが売り上げの大半を占めたが、17~18年秋冬から構築的なシルエットのワイドパンツが浮上するとみて、130テックスを使ったボリューム感ある織物の打ち出しを強める。

 顧客、外注先の双方と話し込み、安定生産の確立にも力を入れる。原糸生産から撚糸、製織・製編、染色整理まで全て北陸産地を中心に国内で手掛けるが、16年は各工程で需給がひっ迫し、思うように販売を伸ばすことができなかった。17年度に向けては、各工程でスペースの確保にメドがついたほか、早期仕掛かりなどの対策を打ち、17年度に1万5000反、20年度には2万反への拡販を目指す。

17~18年向けからは太繊度の織物も



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