2023年ファッション業界の透明度 1次サプライヤー開示が半数超

2024/01/26 06:26 更新


詳細な調査結果を報告している日本語版の表紙

 ファッション産業の環境・人権問題に取り組む「ファッションレボリューションジャパン」を運営するユニステップス(共同代表=鎌田安里紗、竹村伊央)は、ファッションレボリューショングローバルが調査した「ファッション透明性インデックス」23年版の日本語訳を公開した。

 同インデックスの調査対象は年商4億ドル以上の、ウェアやスポーツ、アクセサリー、靴など250の世界の大手ファッションブランド・小売業。情報公開の度合いに応じてスコア化し、ランク付けする。スコアは取得ポイントに応じて「%」で表している。

 調査の主要分野は①ポリシーと公約②ガバナンス③サプライチェーンのトレーサビリティー(履歴管理)④把握・開示・改善⑤今年の重要課題(働きがいのある人間らしい仕事、ジェンダーや人権の平等性、持続可能な調達と材料、過剰消費・ビジネスモデル・廃棄と循環性、水と化学物質、気候変動・化石燃料と生物多様性)。日本企業・ブランドでは、ユニクロ、ジーユー、アシックス、無印良品、ミズノ、ユナイテッドアローズ、イトーヨーカ堂、しまむらが対象となった。

 世界の平均スコアは26%と前年から2ポイント上昇した。初めてスコアが80%を超えたブランドが出たことや、1次サプライヤーを開示したブランドが半数を超えるなど、改善が見られた。ラグジュアリー系は開示に後ろ向きなブランドが多かったが、2位グッチ(スコア80%、前年から21ポイント増)のほか、アルマーニ、ジル・サンダー、ミュウミュウ、プラダが大きく伸ばした。

 1位は3年連続でイタリアのOVS(83%)だった。続いたのが、グッチ、Kマート・オーストラリア(76%)、ターゲット・オーストラリア(同)。日本企業・ブランドでは、ユニクロとジーユーがともに50%、アシックス45%、無印良品28%、ミズノ18%、ユナイテッドアローズ17%、イトーヨーカ堂11%、しまむら4%だった。

 ファッションレボリューションのリブ・シンプリシアーノ・ポリシー&リサーチマネジャーは、「少数のブランドが80%を獲得したことは喜ばしいが、100%の透明性さえ出発点に過ぎず、多くの大手ブランドはまだレースに参加すらしていないようだ」とコメントしている。

 閲覧URLは、https://issuu.com/fashionrevolution/docs/fashion_transparency_index_2023_jpver_fin



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