東レは、スエード調のタッチと銀面調の光沢を併せ持つ新タイプの人工皮革「ウルトラスエードヌー」を開発し、8月から本格販売する。価格は「ウルトラスエード」の4、5割増を想定し、ファッション、カーシート、プライベートジェット機などの高級内装材などを開拓する。
従来の人工皮革は天然皮革を模し、立毛層が表に出たスエード調と樹脂コーティングした銀面調があり、見た目やタッチの違いだけでなく、スエード調は通気性、銀面調は接触冷感性があるなど機能の違いもあった。ウルトラスエードヌーは、表面に樹脂層と立毛層をランダムに発現させ、微光沢の見た目や通気性を持つなど両者の良さを兼ね備えた。
ウルトラスエードの強みであるストレッチ性や、イージーケア性、優れた発色性なども持つ。「東レといえばスエード調のイメージが強かったが、新素材で新しい分野を開拓したい」(沓澤徹マイクロファイバー事業部門長)とし、人工皮革の二つのバリエーションで拡販する。