【ニューヨーク=杉本佳子通信員】米国企業のロシアでの事業停止が相次いでいる。ロシアでの事業を停止しても、ロシアの労働者への賃金は払い続けるというスタンスをとる企業が増えている。
シューズメーカーのスケッチャーズ(ロサンゼルス)は3月9日、ロシアへの出荷を一時停止すると共に、ウクライナとポーランドでウクライナ人の人道支援にあたる組織に25万ドルを寄付すると発表した。加えて、従業員から寄付を募り、最高25万ドルまで同額を会社として上乗せし、ウクライナ人支援に寄付する。同社のマイケル・グリーンバーグ社長は、「ウクライナで起きていることとウクライナ国民を非常に懸念していて、彼らの国を守り戦火で生き残れるためにできるだけのことをする。今のところ、ウクライナにいる我々のチームは大丈夫だが、彼らとその家族、近隣の人々にとって心が張り裂ける時代だ」とコメントした。
同社は、昨年ハイチ支援で協働した組織「コア」を通じて寄付を送る。別途、同社が長年関係を築いてきた、ウクライナのオデッサにある「ティクヴァ・チュルドレンズ・ホーム」に寄付し、さらに靴とソックスを寄付しようとしているという。
クロックスも同日、ロシアにおけるECと実店舗の運営及びロシアへの輸出を停止すると発表した。「ウクライナにおける悲劇的な戦争に大きなショックを受け、被害を被っている人々の側に立つ」としている。ロシアで事業運営を停止する間も、すべての従業員への賃金支払いは続ける。戦争で被害を被っている人々を支援するため、長期的にパートナーとなっているユニセフに寄付もした。