台風21号 近畿から北陸・東海に大きな被害

2018/09/05 15:07 更新


暴風により各地で大きな木が倒れた(写真は堺市の泉北高速鉄道光明池駅前)

 非常に強い勢力のまま、4日正午ごろ徳島県南部に上陸し、近畿から北陸を縦断した台風21号は各地に大きな被害をもたらした。特に近畿では暴風による被害が目立った。関西電力管内では200万軒以上が停電し、市民生活、経済活動にも影響が出ている。関西国際空港が浸水などで運航を停止、インバウンド(訪日外国人)も含め関西経済への影響も懸念されている。

 商業施設は4日、近畿の多くの百貨店、駅ビル、ファッションビルが臨時休業した。百貨店は5日、ほぼ通常営業に戻った。高島屋洛西店(京都市西京区)は1階吹き抜け部分の天窓が落ちたため、5日も臨時休業する。

 イズミヤは京阪神の店舗で被害が出ており、詳細は調査中。本社に近い花園店(大阪市西成区)は昨年10月から建て替え工事のため休業していたところ、工事現場の足場が崩れた。強風で看板が飛んだり、店舗での雨漏りなどさまざまな被害が出た。5日も5店の開店時間を遅らせ、うち大阪の3店は、停電などにより営業再開の予定が立っていない。

 平和堂は4日、2店を休業し45店の閉店時間繰り上げた。シャッター、街灯、看板などに被害が出た。5日は3店で営業時間を遅らせ、停電したフレンドマート尼崎水堂店(兵庫県)は営業再開のめどが立っていない。

 イオンは4日、停電の影響を受けたり、イオンモールの専門店ゾーンをテナントスタッフの通勤事情により休業したところもあるが、大きな被害はなく、5日は基本的に通常営業した。三菱地所・サイモンのりんくうプレミアム・アウトレットは5日、施設点検のため休業としたが、6日には営業再開する予定。

 繊維関連の工場は、大阪南部の泉州を中心に被害が目立つ。泉佐野市などの泉州タオル産地では数社の工場の屋根が飛び、産地内の染工場にも被害が出て、サプライチェーンへの影響が出そうだ。忠岡町の東洋紡糸工業も倉庫の屋根が飛び、製品を入れた一部のダンボールが濡れたほか、停電で春木工場(和泉市)が操業を停止している。泉大津市の大津毛織は工場のスレート屋根が飛び、5日午前の時点で操業できない状況。岸和田市の辰巳職布、阪南市の大正紡績などは通常営業している。大阪市内の染工場、飯田繊工はライフラインは無事だったが、一部屋根が飛び、復旧作業中。



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