大手百貨店の7月売上高(既存店ベース、速報値)は5社中、4社が前年同月実績を下回った。免税売上高が前年に大きく伸びた反動で、大幅減となった。ラグジュアリーブランドなど高額品が不振だった。国内客売り上げは、前年を上回った。
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三越伊勢丹は、伊勢丹新宿本店が7.3%減、三越銀座店は7.6%減だったが、三越日本橋本店が1.1%増を確保した。免税売上高は35.6%減で、前年が月別歴代3位の高水準だった反動が大きかった。国内客売り上げは3%増で、顧客を中心に秋物が売れた。
高島屋は、玉川店が4.9%増だったが、その他の大型店が前年を下回った。京都店が9.1%減、新宿店が8.2%減、大阪店、横浜店が3.8%減となった。免税売上高が33%減、国内客が1.6%増だった。
大丸松坂屋百貨店は、大丸梅田店が8.4%増、松坂屋名古屋店が改装効果で2.1%増となった。梅田店はアニメ、キャラクターゾーンが好調で、インバウンド需要を取り込んだ。免税売上高が30.1%減、国内客が3.3%増だった。
阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が13.4%減で、免税売上高が約4割減だったことに加えて、来春完成に向けた全館リモデルによる売り場工事の影響で苦戦した。阪神梅田本店は7.5%増だった。改装効果で、ファッションとライフスタイルの商品領域が約2割増となった。
近鉄百貨店は、あべのハルカス近鉄本店が8%減で、前年のインバウンドの反動減が響いた。大阪・関西万博オフィシャルストアは、あべのハルカス店、万博会場内店ともに目標を上回り、全社売上高を押し上げた。