商品開発の協働パートナーを見つけます――。インターネット販売サイト「ツクリッテ」を運営するエンファクトリーなど3社は今春、日本の産地を活用した物作りを支援する「ツクリッテ」を立ち上げた。ウェブサイトを通じて、メーカー企業、プロダクトデザイナー、企画担当者、小売り企業などを仲介するプラットフォームを築き、新しい出会いを提供する。
エンファクトリーが幹事会社となり、産地での体験型商品開発を支援する続(渋谷区)、シンガポールにショールームを持つループ(三鷹市)の3社でツクリッテ運営委員会を組織し、活動している。
スタイルストアは開設から約10年が経ち、14年に実店舗も出店した。日本全国の工場や工房で作られる製品を厳選して販売しており、浅草の革靴メーカーなど、産地企業との協業実績もある。開設以来、1400社近くの工場、メーカーと付き合いがあり、そのネットワークを生かして「新しい商品を作ろうとする人と、目的に見合った生産者とのマッチングを効率的に行っていく」(清水正樹エンファクトリー副社長)考えだ。
ツクリッテでは、あらゆる商品カテゴリーを対象に、産地や作り手のデータベースを作成。ウェブサイトで新規の協力工場やデザイナーの登録も募っている。マッチング依頼に対しては、複数の候補者から相応しい企業や人材を紹介する。
「具体的なイメージがあるのに形にできる工場が見つからない。または、独自の技術力を生かすアイデアを持った人材を探しているなど、物作りの悩みを解決する場にしていければ」という。小ロット生産に対応する工場を探すこともでき、「売り上げ規模の小さい小売り企業にも、オリジナル商品を作るチャンスが充分にある」
最近の事例では、スタイルストアで扱っているジュエリーブランドが、自社製品の金具を使ったベルトの商品化に取り組んだ際に、老舗のベルトメーカーを紹介。1カ月半後の展示会に間に合わせた。
新商品の販路開拓支援にも力を入れる。専門店や百貨店など国内の小売り企業への卸売りのほか、東南アジアを中心とした輸出、海外向けの商品開発のきっかけ作りも行っていく考え。内容によっては「クラウドファンディングを活用し、企画に賛同する人から資金を集めて商品化することも検討したい」