トリップの「リネン」 定番ラインをブランド化

2018/03/28 10:59 更新


「リネン」の18~19年秋冬物。シーズンテーマは、これからブランド・イン・ブランドを図る「YASUMI」のイメージ

 カジュアル服の製造卸・小売りのトリップ(大阪府吹田市、松元明久社長)は、メンズ・レディスブランド「リネン」の企画意図や着用目的に応じて、ブランド・イン・ブランドを増やす。

 リネンは、会社の理念を表すブランド名で、「シンプルで懐かしい」がコンセプト。前身のメンズブランド「リプト」として初の展示会を開いた99年当初は、「製作費に限りがあったが、08年にブランド名をリネンに変更したころから徐々にぜいたくに、作りたい物を作られるようになった」(松元社長)。

 一時はビジネスにも向く本格的なジャケットを作ったが、「自己満足に終わった。初めからなじみのある、シンプルでずっとそこにある定番をしっかり作る」。

 17年4月に定番ラインをブランド化。「TEIBAN」(テイバン)を商標登録した。シーズンの気分を表現するラインは「ORIGINAL」(オリジナル)と名付けた。今後、細分化するのは、休日に着ていくライン。

 例えば、家から釣りスポットまでの往復やグランピングなど、もっとカジュアルで、汚れてもいい格好」を目指す。18~19年秋冬物のシーズンテーマも休みをイメージし、ツイードベストなどを作った。

 全社ベースでは、自社ECとレディス「プリット」の卸売りが好調で、18年7月期は売上高8億円超を見込む。ECは自社サイトのみ。2期前に1000万円、前期1500万円の実績で、今期は2000万円の計画。プリットは店頭消化率が高く、専門店バイヤーから再評価された。企画精度の高さ、雑誌『大人になったら着たい服』を通じた知名度向上が寄与したと考える。

 東京・恵比寿と大阪・江坂の直営店内のスペースの貸し出し依頼が増えている。店と同じく白い壁、有名家具店トラックの木製のテーブル、椅子、鉄のハンガーラック、フィッティングルームが揃い、全体をクリーンでナチュラルにまとめる。

 東京を中心にこの雰囲気を気に入った若手の服や雑貨の作家、飲食店オーナー、写真家などが個展や合同展、マルシェなどの販売イベントを開いている。




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