豊島がデジタルプラットフォームを活用し短納期小ロット対応  KDDIのイベントで機能発揮

2023/04/13 06:26 更新


 豊島は、コンテンツクリエイターの物作りを支援するBtoB(企業間取引)の自社デジタルプラットフォーム(PF)「BUZZU」(バズユー)を使って、KDDIが3月に主催したバーチャルとリアルを融合したイベント「アルファーユースプリングウィーク2023」(αUシブヤ)の実店舗でのスタッフTシャツを供給した。

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 豊島は、小ロット短納期を得意とするバズユーの機能を生かして、自社のオーガニックコットン「オーガビッツ」のTシャツをKDDIと協働で企画。発注から納期まで2週間で100着を納品した。今回のオーガビッツ製品による売り上げの一部は、発展途上国の医療支援を行うNPO(非営利組織)団体ジャパンハートに寄付された。

 KDDIはαUシブヤで、メタバース(インターネット上の仮想空間)、ライブ配信、バーチャルショッピングなどのサービスを提供。その一環として東京・渋谷のイベントスペース「エイチゼットシブヤ」で期間限定店を開設した。同店スタッフがバズユー作成のTシャツを着用してイベントを盛り上げた。

 Tシャツのデザインは、イラストレーターの雪下まゆ氏のデジタル作品をバックプリントし、胸元にαUのロゴを入れた。ここで採用されたイラストを含めて雪下氏の作品4点をNFT(非代替性トークン)コレクションとして販売。KDDIは「バズユーの発注から納期までのスピード感や、発注ロットを最小限に抑えられるのが魅力。今後はメタバースのなかでバーチャルの服を先行販売することも構想する」としている。

 バズユーはPF上で展開するアパレルやバッグ、ボトルなど雑貨のサンプルを基にして、クリエイターらがオリジナルのデザインを作成することができるシステム。1着からの生産が可能で、ロット数に応じた卸値を提示する仕組み。使用する生地は、履歴管理可能なトルコ産有機綿「トゥルーコットン」、オーガニックコットンのオーガビッツ、廃棄される食品を染料として再活用する「フードテキスタイル」など、豊島のサステイナブル(持続可能な)素材を中心に活用して差別化を図る。

 バズユーはクリエイターのユーチューブなどSNSのアカウントと連携することで、フォロワーの属性を把握して〝お薦め商品〟を提示することもできる。KDDIは「インフルエンサーをはじめとする個の発信がますます高まってくるなかで、バズユーの役割は大きい。社会貢献に向けたドネーションの側面を訴求することもCSR(企業の社会的責任)の観点から重要だ」としている。

 豊島は「バズユーではアパレルの企画に際して、デザインアシスト機能などを今年6月にローンチ予定だ」としており新規機能を付加するなどして、ユーザーの利便性を図る計画だ。

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