ノイ・カンパニー「トリス」、白いTシャツに特化して百貨店開拓

2022/10/13 11:00 更新


見切り無し、ロス無しも目標の「トリス」(井上百貨店アイシティ21店で)

 メンズカジュアルメーカーのノイ・カンパニー(名古屋、今村芳樹社長)は、メンズ・レディスの白いTシャツ専門ブランド「TORIHS」(トリス)で、百貨店の自主編集売り場やイベントスペースを軸に期間限定での出店を増やしている。23年には全国で20店を見込み、MDや売り場作りに磨きをかけていく。

 ブランド名は白T(SHIROT)を逆から読んだもの。今春夏物はメンズ15型、レディス7型。すべて国産で価格は7000~1万円。

 期間限定店の出店は、ブランドを立ち上げた21年の1店から2年目は5店と増えた。転機となったのは展示会プラグイン・エディトリアルへの出展だった。レディスを加えて初披露したところ取引依頼が急増した。その中で今年は百貨店の自主編集売り場を軸に出店した。

 ロケーションはメンズの自主売り場、エスカレーター周辺のイベント売り場、1階のイベントスペースの3タイプで、立地は地方店(松本の井上、鹿児島の山形屋、札幌の丸井今井)、都心店(京王百貨店新宿店)。この他に販売員付きのポップアップ店を丸井有楽町店3階に出した。結果は消化率が高く、「来年も継続したい」と好感触だった。要因はアイテム、カラーをあえて絞り、提案が分かりやすくして幅広い客層を集客できたこと、百貨店の他フロアで販売されている服との組み合わせを想定した質感や価格設定が的中したこと。

 ブランド立案時に掲げた目標は〝見切りなし、ロスなし、(購入客に)後悔させない〟の3点。コロナ禍にあって服の価格や作り過ぎに対する信頼の低下、環境意識の高まりを踏まえて1年がかりで企画を練り上げた。「定番アイテムの白のみの展開はトレンド品や特定のテイスト品に比べて販売期間が長く、客層が幅広くて見切りが生まれにくい」「Tシャツやカットソーならば30年を超える会社の蓄積が生き、産地とのネットワークが強みになる」と考え、2年間の検証と修正を経て「百貨店の商材に適した現在の形にたどり着いた」と今村社長。

 今後は婦人服フロアへの出店も視野に入れ、店舗数を増やしていく。同時に先行受注会やオンライン販売などでの需要予測を組み合わせて一層の消化率の向上、ロス削減につなげていく計画だ。他方で素材やサイズ展開を拡充し、産地の技術を生かす新提案を加え、企画の掘り下げ、鮮度の維持も目指す。



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