「トーガ」を販売するトーガ・アーカイブスは、コレクションラインとは別に、ユニセックスラインや協業ラインなど様々な切り口で商品を作っている。24年春は、新たな取り組みが目を引く。
ユニセックスラインの「トーガ・アーカイブス」は新たに、性別を特定せず誰もが着られるという意味を込めて「トーガ・トゥ」(TOGA TOO)に名前をリニューアルする。シャツやデニムアイテムに加えたカットアウトやサイドジップアップ、フリンジが特徴。肌の露出やシルエットの強弱を自由につけながら、重ね着などのスタイリングが楽しめる。
同ラインには、デイリーに使えるセットアップやドレスが揃う定番の「インナーシリーズ」も含まれる。アクセサリーは前シーズン人気だったカチューシャに加え、新色のフリンジイヤリングやチョーカーなどが揃う。アップルウォッチ対応ベルトやネックレス感覚で使えるミニバッグも販売する。
協業企画のパートナーも独特。今シーズンは、英チェルシーのフーリガンだった4人の若者が86年に創刊したジン(同人誌)『ボーイズ・オウン』との協業カプセルコレクションを発表した。
6年間に12冊をリリースした集団で、レイブパーティーを開催するなどしてクラブカルチャーに影響を与えた。後に設立したレコードレーベル「ジュニア・ボーイズ・オウン」は、アンダーワールドやケミカル・ブラザーズといった有名アーティストも所属した。日本にもファンは多い。
今回の協業では、ボーイズ・オウンの1号目の表紙やファンに宛てた手紙などをプリントしたTシャツ、リバーシブルのスーベニアジャケットなど合計7型を24年1~2月に発売予定。協業記念にロンドンや東京などでイベントを計画中だ。
今夏はボランティア団体「アトリエA」と企画した商品も発売した。03年に設立されたアトリエAは、ダウン症や自閉症の子供を中心とした絵の教室。年齢や障害を問わず誰もが参加できる場で、それぞれ好きな方法で作品を作り、月1回発表している。
デザイナーの古田泰子は、ボランティアスタッフとして通い始めて約10年になる。今回はアトリエAの20周年を記念して、アトリエに通うメンバーの作品をプリントしたTシャツやバッグを制作した。