帝人フロンティアと伊セーブ・ザ・ダックの合弁会社 日本市場に通年で力

2024/07/18 06:27 更新


南青山に開設した本社兼ショールームで通年商品を見せる

 帝人フロンティアが伊セーブ・ザ・ダックと合弁で設立したセーブ・ザ・ダックジャパン(東京、治田兼一社長)は、サステイナブルを切り口にしたアウターウェア「セーブ・ザ・ダック」を日本市場で強化し、春夏アイテムを含む通年の訴求で常設店を増やす。

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 帝人フロンティアはテキスタイル販売や製品OEM(相手先ブランドによる生産)が中心で、海外ブランドとの合弁設立は初めて。「セーブ・ザ・ダックのコンセプトは、帝人フロンティアの環境戦略『シンクエコ』とも合致する。サステイナブルの訴求でコアなファン作りを強化していく」(治田社長)方針だ。

 日本市場での発信力強化へ向け、旗艦店を早いうちに開設したい考えで、ブランドの世界を表現できる最適な場所を検討していく。並行して長期の期間限定店や、常設売り場も広げる。現在は阪急うめだ本店に常設店があり、さらに今期は百貨店2、3店で期間限定店を実施する予定だ。

 商品は全て伊企画の輸入品のみ。強みの秋冬アウターに加えて春夏物を強化しており、来春夏向けから日本でも本格化する。メンズ・レディスの「スマートレジャー」シリーズは、ツーウェーストレッチ生地の着心地の良さを訴求したパーカ、パンツ、スカートなどを揃える。

 春夏アウターも充実し、撥水(はっすい)素材の軽量コート、防水透湿素材や止水テープの本格防水コート、MA-1風ブルゾンなど企画する。レインジャケットは防水素材のエントリーモデルで約3万5000円。ブランド定番のオレンジ、グレーをはじめ、カラーリングも幅広い。水着も扱う。

 セーブ・ザ・ダックは12年にスタート、羽毛を使わない中わたジャケットなど、動物福祉やサステイナブルに配慮する。帝人フロンティアは19年から日本の総代理店となり、専門店など卸販売は三喜商事と提携する。ジャパン社も三喜商事との取引を継続する。

 日本での販売開始以降、事業が拡大しており、伊本社もさらなる強化を希望、伊本社51%、帝人フロンティア49%出資で5月末にジャパン社を設立した。セーブ・ザ・ダックの海外関連会社は米国、香港に次ぐ3社目。南青山に本社兼ショールームを設け、日本での事業を加速する。



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