四日市の日永地区に「日がなビル」「ネストビル」など四つの自社ビルを持ち、アパレル、スポーツ用品の専門店を運営するたまや(四日市市)は、アパレルだけでなくライフスタイルや飲食を融合し、地域の高感度な客の集まる場所作りにも取り組んでいる。
同社はコロナ禍以前から現在まで5年連続で売り上げを増やしており、23年7月期も7億円を超え、前期を上回る見込みだ。アパレル売り上げの7割以上をECが占める一方、地域を盛り上げたいとイベントや出店計画に取り組んでいる。
毎月第3金曜日の夕方に行っている「ひながの夜市」がその一例だ。店舗前の駐車場に、地元の飲食店や花屋の屋台が10店ほど並ぶ。過去に専門店を集積するビルの1階にピザ屋をリーシングしてファッションと飲食の親和性を実感した経験に加え、閑散期である金曜日の夕方の来客を増やしたいとの思いから、約1年前にスタートした。当初は未知数だったが、今では500人以上が訪れるイベントに成長した。こだわりある出店者に厳選した高感度なイベントには、出店者のファンなど多くの人が訪れて、服に興味を持つきっかけとなっている。
今後は10年かけて自社ビルの集まる日永エリアにさらに2、3棟のビルを建設し、「日永に来ればファッションも食も生活も面白くなるような街づくりで高感度な人たちを呼び込みたい」と、ファッション、食やライフスタイルを融合したリーシング事業に注力していく。