シンボル(東京)がライザップと共同開発した3Dボディースキャンシステムを使ったライザップ会員向けのオーダーメイドスーツのプロトタイプが完成した。
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3Dスキャンデータから作成したパターンを使い、体を鍛えた人にも「格好よくフィットする」服を提供する取り組みが動き出した。スキャンシステムはライザップ新宿店に導入され「ボディーメイクのレコーダー」としての利用は始まっており、今後都内の大型店に広げていく予定だ。
プロトタイプは、ライザップの幹部やトレーナーの3Dデータから得られる各部位の寸法・形状からパタンナーがパターンを作成し、国内工場で1点ずつ作った。メンズのスーツ、ジャケット・パンツ、シャツ、レディスも作成。ダイエットを終えて、さらに体を鍛えるライザップ会員のための服作りで、格好よくフィットするには筋肉のつき方の解析がポイントになるという。今後はアパレルCAD(コンピューターによる設計)を利用し、パターン作成をシステム化する予定だ。
シンボルは将来、アパレルブランドのロイヤルカスタマーの3Dスキャンデータを蓄積し、マスターボディーをチューンアップするサービスも考えている。そのためには、ライザップとの共同開発と同様に、導入企業に合わせた計測オペレーション設計が不可欠だ。さらに導入コストを抑えるためプラットフォームも必要になるという。
シンボルでは、高齢者向けの健康寿命延長の支援サービスやECでのバーチャル試着システム開発などで複数の企業との商談が進んでいる。こうした産業を超えた人体形状の3Dデータ活用のためにも、セキュアなプラットフォームが欠かせないとみており、この構想に賛同してくれる企業が広がっているという。大手商社の出資も決まった。