前回では、オンラインで注文して、店頭で商品を受け取るBOPIS(Buy Online Pickup In Store)が、都市部に分散する店舗や、小型倉庫から商品を直送するマイクロ・フルフィルメントと表裏の関係にあることを論じました。スマートフォンの生活への浸透によって、既にこのような消費行動は珍しくなくなっており、諸外国では標準的なサービスになっています。日本の消費者の30%もBOPIS利用を希望しており、大きく小売業界を刷新しつつあります。今回は日本の事例を見てみましょう。
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ファストリは4割以上
以前触れたとおり、BOPIS需要は衣料品が最も大きいため、日本でもアパレル業界がけん引しています。ユニクロやジーユーを展開するファーストリテイリングの21年10月の発表によると、ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取る「店舗受け取りサービス」の利用率は、EC売り上げの40%以上に達したといいます。