前回のコラムでは、BOPISについて取り上げました。Buy Online Pickup in storeの略で、要はオンラインで注文した商品を店舗で受け取るサービスを指します。古くはクリック&コレクトでも同じような構想があったのを覚えていらっしゃるかと思います。
コロナ禍以降の消費者は、外で買い物を楽しむ際も、BOPISを活用して手間や時間を節約する体験に触れました。一方、日本は各小売りが別々にアプリケーションを消費者に勧めており、大きなストレスになっています。今回は、海外でのBOPIS活用の事例を通して、学べるポイントを抽出したいと思います。
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4分の1がウォルマート
まず、BOPISが根付いている米国で最もシェアを誇るのは、世界最大のスーパーマーケットチェーン、ウォルマートです。同社のBOPISによる売り上げは、19年の72億ドルから21年には204億ドルと3倍近く伸びており、これは21年の米国のBOPISによる注文の25.4%を占める数字となっています。この数字は、同社が占める、小売市場でのシェア14%よりも大きいものになっており、小売市場におけるBOPIS率が高まれば高まるほど、シェアが伸びる可能性があります。
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