スポルディングJのバスケ事業 10年連続で2ケタ増収

2020/02/06 10:58 更新


 米スポーツブランド「スポルディング」の日本事業を手掛けるスポルディング・ジャパンのバスケットボール事業が好調だ。八村塁選手の活躍や、昨年16年ぶりに日本で開かれた「NBAジャパンゲームズ」などの影響で、NBA公式サプライヤーであるスポルディングのボールやアパレルなどが売れている。同社では今後もブランドの強みを生かすとともに、展開カテゴリーの拡大やEC販路の強化に挑む。

 19年12月期のバスケ事業売上高は、前期比18%増となり、10期連続で前期比2ケタ増収となった。ここ数年はアパレルの拡充策やバスケゴールの受注増によって伸びていたが、前期は主力のボールが素材・デザイン問わず全般的に売れ、販売額は前年の1.4倍になた。佐々木豪一社長は「世界レベルで活躍する選手が相次ぎ登場し、競技自体が盛り上がり、国内のプレー人口やバスケスクールが増えたことが影響した」と見る。

 今後もボールではNBA色を前面に押し出す。既に1月下旬から八村選手がプリントされたボールの販売をしているほか、20年秋冬シーズンには、チームロゴを大きく入れた黒の新シリーズを出す。

八村選手の顔写真とサインをプリントしたボールを発売

 バスケ以外のカテゴリーにもチャレンジする。今春からはバレーボールに本格参入。強豪の日本体育大学女子バレーボール部のユニフォームを手掛けるとともに、市販用にバレーボールTシャツなどを企画した。20年秋冬向け展示会では、バレーボールをプリントしたロングTシャツなど10型を見せた。

 販路政策では、ECを成長エンジンに据える。試着の要らないボールや、リアル店舗では売りづらいバスケゴールはEC販売に適しており、この間、EC専門の人材を採用するなど徐々に強化を図っていた。今後はライセンス商品の導入や掲載商品の奥行き確保など、品揃えの拡充などに取り組み、現在30%のEC化率を5年後までに50%へと引き上げる。

 同社は09年に米スポルディング全額出資の日本法人として設立された。ブランドのライセンス事業を引き継ぎ、主力のバスケットボール事業を開始。ボールの輸入販売だけでなく、バッグやアパレル、グッズの企画・製造も手掛け始め、バスケアイテムの総合提案をしている。

本格参入したバレーボールの20年秋冬物


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事