スペインの紡績企業ヒラチュラスフェレールは17年から、コットン、ポリエステルのリサイクル糸のブランド「リカバー」を日本市場で本格的に販売する。ほとんど水を使わず、染色もしないで糸にするエコロジーな点を生地メーカーやニッターにアピールしていく。
同社は100年以上の歴史があり、70年前からリサイクルコットン糸を生産している。06年にリカバーを立ち上げ、15年から本格的に販売を開始、「ザラ」「H&M」などをはじめ世界に販路を築いている。
コットン糸は在庫になっている衣料品や生地を色別に回収し、粉砕して糸にする。水を使わず、染色もしないという独自技術を持つという。ポリエステル糸はペットボトル再生で、15年は140万本のペットボトルを回収している。糸は五つのシリーズがあり、リサイクルのコットンとポリエステルを混紡したものが中心。
日本市場で特に打ち出すのが、リサイクルコットン52%・リサイクルポリエステル48%の「ブルー」。32色あり、カットソー、シャツなどの軽衣料などに向く。リサイクルコットン25%・リサイクルポリエステル75%の「テック」はスポーツウェアに適しているという。
「世界ではサステイナブル(持続可能な)がスタンダードになりつつある。日本では時間がかかると思うが、社会的意義を共有、拡散していきたい」。そう話すのは、日本市場の代理店となっているサステイナブル・ソース・ステュディオスの高橋政樹さん(masaki@s3source.com)。当面、生地メーカーとの取り組みを具体化し、ファッションブランドへの生地提案を考えている。