地方の百貨店やSCへの新規出店で空床解消へ スピード感と強みを生かす

2020/12/28 06:29 更新有料会員限定


ギャラリークリエーションが居抜き立地に出店した「東急たまプラーザ」店

 「コロナ禍をチャンスに」「この困難を何とかしなければ」と捉えたアパレルメーカー・専門店が、地方の百貨店や商業施設への新規出店を増やしている。ブランドの統廃合や撤退、ネット販売への移行も加速して空床が急速に広まり、施設側は埋めるのも容易ではない。アパレル側は、出店条件の緩和や好立地への出店のほか、課題でもある人材の確保が期待できるため、スピード感を持って問題の解消を担う。

(古川伸広)

 アパレル業界は、もともと厳しい環境にある。新型コロナの感染再拡大でいまだに終息が見えず、「まだまだ空床は出てくる」との見方も多い。一方で、オンラインの活用が時流となるなかでも、「リアル店舗の存在価値はなくならない」として新規出店と自社の強みの打ち出しに取り組んでいる。出店を増やす際、人材がネックだったが、大手アパレルの撤退などで「優秀な人材が確保できる」状況が生まれた。空床を埋めるアパレルの増加は、業界からの人材流出を食い止め、働く場を提供することにもなっている。

陳腐化を避ける

 「要請が強まっている」として、出店を加速させるのはレディス専門店のギャラリークリエーション(東京)。9月下旬から、静岡伊勢丹や大丸須磨店、そごう大宮店、アトレ吉祥寺などに18店を出した。強みは40、50代を主力ターゲットに、「ナチュラルミスト」など多様な業態を立地や売り場に合わせて自由に組み合わせられること。催事事業部もあり、商品在庫や機動力も備え、柔軟に対応できる。

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