アジアのファッションを世界のメインストリームに――ファッション越境EC「60%」(シックスティーパーセント)が好調だ。独自の目利きによる〝オンラインセレクトストア〟として韓国やインドネシア、台湾、タイ、ベトナムなど約10カ国・地域から650ブランドを揃え、Z世代を中心に販売している。市場は日本のほか、欧州や南米など50カ国。18年7月創業で、22年3月期の取扱高は前期比約3.8倍。21年4月には、ヤマトホールディングスからコーポレートベンチャーキャピタルファンド(CVCファンド)「クロネコイノベーションファンド」を通じて資金調達し、最適化した物流の構築を目指す。25年には取扱高100億円を計画、うち海外が3~4割となる見込み。真部大河CEO(最高経営責任者)兼共同創業者と松岡那苗COO(最高執行責任者)兼共同創業者に、アジアのストリートファッションの今と可能性について聞いた。
(北川民夫)
SNS通じ世界に
――好調の要因は。
真部 「60%」の現在の主力市場である日本で、未進出の希少なアジアンブランドを販売していることが大きい。消費者が「気になっていたけど買う手段が分からなかった」ブランドを、ファッション越境ECに適した物流を構築して提供している。今やアジアのローカルブランドでも、世界中の消費者がSNSを通じてアクセスできる時代だ。主力客のZ世代は、個々人の趣味嗜好(しこう)が細分化しており、自らのスタイルに合う商品を選ぶ。この世代がファッションに関心がないとは思わない。商品の平均単価は秋冬物で1万円、春夏物で7000~8000円程度。平均客単価は約1万2000円で、若い層をターゲットにしている割には購買額は高い。