ヤクのニット製品「ショーケイ」のジャパンオフィスを担うダブルツリー(札幌市)は、サステイナブル(持続可能)なテキスタイルの販売など、BtoB(企業間取引)事業を強化している。
ショーケイは06年、ハーバード大学ケネディスクールの学生が立ち上げた、中国・チベット族の貧困問題解決を目指すソーシャルブランド。ブランドとしてはBtoBをメインとしており、日本でも製品のODM・OEM(相手先ブランドによる設計・生産)、ダブルネームでの商品開発、テキスタイルや毛糸の販売など、BtoB事業を広げようとしている。10月に出展したサステナブルファッションEXPOでも、製品に加えて、テキスタイルや毛糸などを展示した。
ショーケイのインナーに使っている機能素材「ヤクテック」は、ヤクにモダールなどをブレンドした保温性の高い機能素材で、伸縮性が高くやわらかな肌触りが特徴。また、ショーケイのコートで使用した新開発の中わたは、ペットボトルと牡蠣(かき)の殻をリサイクルした素材と、ショーケイ製品の製造過程で出るヤクの残毛・残糸を使用したもの。この中わたを使ったコートは、今シーズンの一番人気だという。
アーティストショールと呼ぶコットン・ヤクのショールは、ブランドやアーティストなどのオリジナルの図案をデジタルプリントできるもので、小ロットで生産が可能だ。
林民子社長は、「ショーケイはSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標のうちの11の目標に貢献できる。トレーサビリティー(履歴管理)やサステイナビリティーに取り組むファッションブランドのニーズに応えられるのではないか」と話している。