篠原テキスタイル(広島県福山市)はデニムが主力の織布メーカー。備後絣で創業し、織るものを変えるなどして時代の変化に対応してきた。「テンセル」デニムをはじめとした差別化提案を強みに、国内外で着実に支持を広げている。22年に5代目として就任した篠原由起社長は、「細かいところまで作り込んでいるのがジャパンデニムの強み。これからも手がかかる物作りを突き詰めたい」と話す。福山産地を代表する企業として意欲的に活動や交流を広げ、福山デニムの知名度アップ、産地の活性化にも取り組んでいる。
素材開発はよりニッチな方向へ
――家業に入る前は。
大学で経営工学を学び、卒業して大正紡績(大阪府阪南市)に入社しました。一度同社を見に行く機会があって、糸がとても面白いと感じたからです。製造現場で3~4年働いた後、新設の商品開発部に異動しました。糸開発に携わっただけでなく、営業担当として全国の産地を回り、いろんなお客さんと知り合うことができました。その時のつながりは今も続いています。トレーサビリティー(履歴管理)やオーガニックコットンなどを先駆けて取り入れていましたし、とても得難い経験でした。当初は3年間だけのつもりでしたが、楽しくて7年間いました。
――12年に家業である篠原テキスタイルに入社した。
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