先日、産業能率大学小々馬ゼミとの共同調査リポート『新世紀JK(女子高生)リアル図鑑2019』を発表いたしました。昨年も公開した本調査ですが、今年はサンプル数をさらに増やして現役女子高生807人を対象に、生活価値観、特にファッションに対する価値観についてウェブ調査を実施。回答を類似の価値観で分類するクラスター分析を用いて分析した結果、おしゃれ意識と消費行動特性の違いにより、JKを「10のおしゃれタイプ」に分類しました。
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「おしゃれ自覚度」の差
今回の調査では、新たにJKの東西比較も行いました。「東西で得ている情報やファッションに明らかな違いがあるのではないか」という仮説のもと、ウェブ調査以外にも実際に大阪に出向き、大阪でJKにヒアリング・観察をした結果も反映しています。
まず、今回の東西比較で見えてきたのは、情報源については関東・関西に関わらずインスタグラムがメインとなっていることです。普段SNSでチェックしているアカウントや有名人・ユーチューバーについても、東西での大きな違いは見られませんでした。以前は関東と関西で情報の伝達に時差がありましたが、スマホ・SNSの普及によって、その時差は大幅に短縮されており、受け取る情報のスピードとそのコンテンツに差がなくなっていることが考えられます。
東西でのファッションの違いについては、感覚的ではありますが、大阪のJKの方が若干ストリート系ファッションが多く、メイクもやや濃い印象を受けたものの、東京で見かけるJKのファッションとの大きな違いは見られませんでした。
しかし、ウェブ調査の結果からは東西での「おしゃれ自覚度」の高さについて違いがあることが明らかになっています。関東・関西で各おしゃれタイプの分布図を見てみると、おしゃれ自覚度の高いおしゃれタイプは、関西により多く見受けられます。
関西JKの方が「着る物を決めるときは異性の目を意識する」「自分だけの服や小物などを持ちたい」「周りの人とは違った服装をする」といった項目の数値が高く、関東JKよりも自分のファッションスタイルにこだわりが強いようです。
制服の着こなしは地域差
関西により多く見られるおしゃれタイプのJKは、平均よりもファッションへの支出額が高いことから、関西JKの方が、よりファッション消費に意欲的な子が多いことも分かります。
情報源やよく購入するファッションブランドについて東西で違いはないものの、おしゃれに自信があるマインドタイプのJKは、関西の方が多いのかもしれません。
JKの見た目で違いが見られたのは、制服の着こなし方です。関東JKはスカートが短めで、足首丈の靴下にローファーが定番になっていますが、関西JKはスカートが長めでスニーカーを履き、あまり制服を着崩している様子はありませんでした。
私が特に驚いたのは、大阪JKは冬場にタイツの上から靴下を履いて防寒対策をしている子が多く見られたことです。
私服としてのファッションの見た目については、居住地域での差はほとんど変わらなくなっていますが、制服の着こなしに関しては地域ごとの特徴が存在していて、彼女たちの所属するコミュニティーの文化が影響しているようです。
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