【マスイユウのYUラブ上海】21~22年秋冬上海ファッションウィーク 若手のプラットフォーム「レーベルフッド」に注目

2021/05/17 06:27 更新会員限定


 新型コロナの押さえ込みに成功した中国では、例年のように上海ファッションウィークが開かれた。やはり注目すべきは若手デザイナーのプラットフォームである「レーベルフッド」だ。セレクトショップを経営するターシャ・リュウ氏が16年に立ち上げたキャットウォークとプレゼンテーション、そしてショールームの要素を併せ持つプロジェクトだ。デザイナーごとにプロと消費者向けの2回のショーがあり、チケットを買い求めたファッショニスタや学生で満員御礼になった。大手スポーツブランドを絡めたイベントもあり、会場は大盛況となる。

(ライター・益井祐)

 今回は黄浦江沿いのアート地区であるウェストバンドの「タンク上海」で行われ、5日間で28組のブランドが参加した。すぐ近くではトレンド色の強いブランドが参加するトレードショー「オンタイムショー」も開かれ、エリアは活気づいたようだ。

 レーベルフッドはこれまでにもLVMHヤングファッションデザイナープライズのセミファイナリストに選ばれたスーザン・ファンなどの有望株を輩出してきた。21~22年秋冬の目玉は今年、中国人として初めてプライズのファイナリストに選ばれた「ルイ」かもしれない。ニューヨークのパーソンズで学んだ彼女は、ボディーコンシャスなニットウェアを様々な体形の女性で提案。そのダイバーシティーなアプローチでも注目を集めている。ボディースーツのようにタイトながらも繊細なコレクションはカットアウトのように穴がある。その雰囲気をヌードカラーのヤーンとの切り返で表現した。体と肌、そして衣類との関係性に迫っている。

ルイ

 「シイ・リュウ」もパーソンズを卒業している。ファイナンスで学士を取得してからファッションを志したリュウのMA(修士)の卒業コレクションは19年のH&Mデザインアワードのセミファイナルにまで残った。得意とするのはテキスタイルだが、中でもリサイクルラバーや加工されたパースペックス、熱で縮められたチューブなど、工業素材を再利用したクチュールテクニックによる装飾が目を引く。

シイ・リュウ

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