ファッション×eスポーツ 参入企業が続々!

2019/10/14 06:30 更新


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【センケンコミュニティー】ファッションとeスポーツ 参入企業が続々!

 eスポーツに参入するファッション企業が増えつつある。今回のセンコミでは、ファッション企業のeスポーツに関する取り組みを紹介するとともに、eスポーツの有識者にインタビューを実施、eスポーツ大会でプレーヤーの服装についても取材した。

 ファッション企業の取り組みでは、協賛やユニフォームの提供、イベント開催などが多く、競技者の中心である若年層へのアプローチを狙っている。今後eスポーツがさらに普及・発展するためには、参入企業が増え、より深く関わった形での取り組みも求められている。

ビームス、JeSUに協賛

■日本代表選手にユニフォーム

 セレクトショップのビームスは、日本eスポーツ連合(JeSU)のオフィシャルスポンサーとして、18年から日本代表選手にユニフォームを提供している。ユニフォームには各スポンサーの企業ロゴが刺繍してあり、代表選手は世界各地で開催される国際大会や日本の記者会見・イベントなどで着用する。

 eスポーツに参入したのは、競技者の中心である若年層と接し、意識や動向を知ることが、若者に選ばれる企業であるための手段の一つと考えているからだ。

ビームスが提供する日本代表のユニフォーム。スポンサーの企業数は着実に増えているという

 18年の平昌冬季五輪の開幕直前、初めて国際オリンピック委員会から公式なサポートを受けたeスポーツの世界大会が開かれたことで、今後の活性化に期待を感じ、参入を決めた。18年夏にインドネシアで開催されたアジア競技大会に出場する日本選手にユニフォームを提供した。

 eスポーツを支援することで、日本でのゲームをする人に対するネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)していきたい考えもある。そのため、提供するユニフォームは、スタイリッシュでカッコいいデザインを意識する。

 ユニフォームの企画・デザインは、開発事業本部のユニフォーム課が手掛ける。eスポーツのユニフォームは通常、化繊のTシャツなどスポーツウェア然としたものが多い。差別化のため、「普段着の延長で着られる」を意識している。現在は、綿・ポリエステル混の速乾性のある生地を使った半袖シャツとコーチジャケットを採用している。企業ロゴもプリントではなく刺繍にすることで品格を演出した。

 スポンサー活動を通じてeスポーツの盛り上がりは感じているものの、今後いかにビジネスにつなげていくかが課題だという。国内に様々なチーム、選手がいるなかで、代表選手のみならず、ビームスの雰囲気にフィットする選手を発掘・支援していく計画だ。さらに地方自治体と連携を取り、地方活性化に貢献する考えもある。eスポーツ競技者に認められることを最重視しつつ、活動しやすい環境を整備していく構えだ。

スポーツタカハシ 初の公開eスポーツ大会

■地域で研究会結成

 大阪・アメリカ村に本店を置くスポーツタカハシは、今年3月からeスポーツ関連の「スポタカEX事業」を開始した。5月には地域計画建築研究所(アルパック)と共同で「大阪eスポーツ研究会」を結成し、心斎橋や難波などミナミ地区の商業施設や企業、行政、学識経験者を組織している。

 5月には研究会発足セミナーとシンポジウム、プロゲーマーによるエキシビジョンマッチを開催し、7月には本店のあるビッグステップを舞台に、初の公開eスポーツ大会「第1回スポタカ・カップ」を実施した。8月には定例の第2回大阪eスポーツ研究会を開き、eスポーツ関連の講習会には70人が集まった。そして、9月29日には大阪初のeスポーツ・コンベンション「オオサカeS・CON」を「なんばスカイオ」で開催した。

9月29日の「オオサカeS・CON」では講演会やAR(拡張現実)などeスポーツの体験会を実施

 eスポーツで先行する同社には「eスポーツのウェアやグッズの開発」「eスポーツ大会の開催方法」といった問い合わせが増えている。ウェアやグッズでは「ゲームメーカーとの協業ウェア」「eスポーツの専門ブランド」が出てきているが、スポタカEX事業の大川慎一チーフは「セレクトショップの参入も増えてくるのでは」と予想している。

 eスポーツ大会の開催では今のところ「参加費無料」のイベントには知的財産を持つゲームメーカーなどもソフトの使用を許可してくれているという。しかし、今後は大会規模が大きくなると費用を参加費や入場料、企業協賛金などで賄う必要も出てきそうだ。

 参加料を徴収して賞金・賞品を渡すと賭博罪に問われるが、これも「賞金・賞品が主催者以外の第三者から提供、または主催者が賞金を提供する場合でも参加料が大会運営費にのみ充当される場合は違反にはならない」など徐々に業界団体からの法的なガイドラインが出始めている。

 今後も大阪eスポーツ研究会では偶数月に会合、奇数月にイベントを実施する予定で、来年春にはミナミ全体でのeスポーツ・イベントを計画している。「eスポーツをきっかけに街に遊びに来てもらえれば」と地域への貢献を期待している。

ヘインズブランズジャパン「チャンピオン」

■eスポーツウェア販売 大会の支援も

 ヘインズブランズジャパンのスポーツ・カジュアルウェアブランド「チャンピオン」は18年秋、多数のプロゲーマーをサポートする「チームグラフト」を運営するMSYとオフィシャルチームウェアパートナー契約を提携し、eスポーツ市場に参入した。

 19年春からはプロeスポーツプレーヤーの声を元に、競技時や遠征移動時などの着心地に配慮した独自開発の専用ウェアの販売を始めた。国内のスポーツウェアブランドでeスポーツ専用ウェアを開発したのは、同ブランドが初めてという。

「チャンピオン」のeスポーツウェアの20年春夏物。普段着使いがしやすいラインも発売する

 「多くのプレーヤーが普段着でeスポーツをプレーしているなか、パフォーマンスを高めるため、チャンピオンならではの機能性とデザイン性を持つウェアを開発することで新たなスポーツカテゴリーを盛り上げていければと思った」(早瀬圭一副社長)ことが、参入の経緯だという。若者が中心のeスポーツ市場でチャンピオンの認知を高める狙いもあった。

 eスポーツウェアの発売時には、東京・渋谷のアジア最大の旗艦店「チャンピオン・ブランドハウス・シブヤトウキョウ」でイベントを開催。チームグラフトのMOV選手とeスポーツに関わりのあるケイン・コスギさんを招き、格闘ゲームで対決した。

 このほか、MSYが主催するルーキー発掘カップのファイナリストに景品としてウェア提供したほか、9月には米プロバスケットボールリーグ(NBA)公認のeスポーツリーグ「NBA2Kリーグ」の、チームロゴ入り公式ウェアを、「チャンピオン」日本公式ECサイトで数量限定で販売した。

 今後もMSYと協力しながら選手、イベント、大会のサポートを継続的に行う。大会やゲーム企業との新たな取り組みを通じて、eスポーツ市場の進化に貢献していく考えだ。

日本eスポーツ連合副会長浜村弘一さんに聞く、現状と課題

■スター選手育成に力

JeSUの浜村弘一副会長

 日本eスポーツ連合(JeSU)は、日本におけるeスポーツの振興を通して国民の競技力の向上とスポーツ精神の普及を目指す連合だ。振興に関する調査・研究・啓発や競技大会の普及、プロライセンスの発行と大会の認定、選手育成に関する支援など、様々な活動を行っている。JeSUの浜村弘一副会長に、eスポーツのいろはと、日本のeスポーツの現状と課題、今後について聞いた。

 ――eスポーツとは。

 エレクトロニック・スポーツの略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称です。発祥は正確にはわかりませんが、先進国は韓国です。90年代後半から、eスポーツのムーブメントが起きていたと言われています。

 ――日本は後進国と聞きますが、なぜ。

 eスポーツの多くがパソコンを使ったゲームだったことが影響しています。日本は世界的に見ても有力なゲームハードメーカーが存在しますが、テレビを利用する家庭用ゲーム機が圧倒的に強かった。それらが市場のシェアを取りすぎた結果、PCゲームの普及が遅れました。

 さらに、景品表示法や風俗営業法、刑法の賭博罪といった法規制の課題です。これらの法律がeスポーツ大会の高額賞金や大会運営を阻害する可能性があると言われていますが、適切な対応・運営手段を取れば、問題なく大会を開催できます。特に景品表示法に関しては、プロライセンスの発行によって環境整備を進めています。

 ――今後のさらなる普及・発展に何が必要か。

 必要なことは数多くありますが、まずはスター選手を育成することだと思っています。どんな競技も国内外で活躍するスター選手、目指すべき選手がいることで注目度が高まりますよね。スター選手の育成のためには、大会を増やしていくべきだと考えます。

 ――ファッション企業はeスポーツとどう関わるのが望ましいか。

 eスポーツの視聴者、観戦者は若年層が中心で、大会の多くがネットで配信されています。テレビを見ない若者にリーチできるコンテンツです。eスポーツの大会に協賛したり、ウェアを提供することは、ブランドをアピールする良い場となるのではないでしょうか。

◆eスポーツプレーヤーの服装やいかに?

 ここ最近になって急に耳にする機会の増えた「eスポーツ」というワード。ゲーム愛好者でない限り、どんな競技なのかいまいち想像が付かないのでは? かくいう記者もゲームは小中学生以来やってない…。ファッション企業がeスポーツに参入し始めているけれど、どんな感じなの?eスポーツプレーヤーの服装を探るべく、センコミ取材班としてゲーム大会に潜入してみた!

 都内で開催されているDMM GAMES主催の「PJS」。ファッションECモール「ゾゾタウン」を運営するゾゾも特別協力という形で、19年春から運営側のTシャツやユニフォームが無いチームにユニフォームを提供をしているぞ。

「ズーゲーミング/ペンギン」所属のルイティービー選手。ゾゾが提供するコーチジャケットタイプのユニフォームを着用

 参加者の多くが10代後半、20代前半の男性。「ゲームオタク」と言われて想像するような人はほとんどおらず、髪の毛を派手な色で染めた原宿系男子?と思わせるような人がたくさんいた。私服にこだわっていて、韓国系ファッションやデザイナーブランドが好きという男の子もいた。

 そんな彼らは、スポーツウェア感満載のユニフォームに若干不満がある模様。ファッション企業がeスポーツに参入するなら、このあたりにチャンスがあるかも。ゲームもファッションも好きな若年層は一定存在するため、ここを狙ったアプローチは有効だろう。

「V3フォックス」所属のトムス選手。古着や韓国ファッションが好きという
「ブルービーズESP」所属のブラジリアン選手。「モード系ファッションが好き」という

 参加者に「大会に出場する際に着用を心掛けている服」を聞いたところ、「半袖が良い」という声をよく聞いた。パソコンゲームでは競技中に腕が机とこすれるようで、長袖は競技の邪魔になるようだ。腕がこすれるのを嫌う人は、半袖の下に長袖のコンプレッションウェアを着用していた。

 競技中は体温が上がるため半袖で良いが、会場はたくさんの電子機器が集まるため、冷房がかなり効いている。参加者も競技開始直前までは上着を羽織るのが一般的という。

「ブルービーズESP」所属のりあべり選手。裏毛のコーディガンはユニフォーム

 ボトムは、ストレッチ性のあるものやゆとりのあるものなどを好む傾向があるが、ジーンズやスウェットなど様々だった。競技中はゲーミングチェアであぐらをかく選手もいたため、柔らかく伸縮性のある生地は必須かもしれない。

「チームレイズ」所属のサトル選手。ユニフォームには「アトモス」のロゴも

PJSとは?

 DMM GAMESが主催するPUBGジャパンシリーズ(PJS)は、18年2月に始まったバトルロイヤルゲーム「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」を採用した日本最高峰の公式リーグだ。ユーチューブなどでネット配信される大会動画の累計視聴回数は1500万に達している。

「PJS」の大会会場の様子

 同社はPUBGジャパンシリーズを通じて、日本国内におけるeスポーツの振興と普及活動を行っている。チームや選手の社会的地位向上に向けた活動や、選手が自立できる環境の支援を行い、世界で通用する選手を輩出すると同時に、チーム、選手、ファンが一体となってコミュニティーを盛り上げ、成長するビジネスモデルを確立し、eスポーツ大会の興行化を目指している。

競技中の選手。長袖を着ていても、袖をまくっている人が多かった

(繊研新聞本紙19年10月4日付)


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