第42回繊研賞贈呈式 「アンリアレイジ」など表彰

2020/10/29 06:25 更新


 第42回(19年度)繊研賞の贈呈式が10月27日、都内で開かれた。繊研賞は革新的なファッションでLVMHヤングファッションデザイナープライズのファイナリストに選ばれた「アンリアレイジ」(デザイナー森永邦彦氏)、日本のテキスタイルの魅力を世界に発信するテキスタイルデザイナー梶原加奈子氏(カジハラデザインスタジオ代表取締役)、大島紬の伝統技法の技術継承と将来展望を示す金井工芸、羽毛のリサイクルで循環型ビジネスモデルを確立したグリーンダウンプロジェクト、時代のムードを取り入れ進化した定番を作り続ける「ハイク」(デザイナー吉原秀明、大出由紀子氏)に贈られた。

 選考委員会を代表して、新井良亮選考委員長(ルミネ相談役)は「今回の繊研賞は地域貢献や伝統文化、物作り、グローバル、環境、社会貢献といったこれまでと違う視点で評価された」と講評した。

 アンリアレイジの森永邦彦氏は「今の時代に服を作り、伝え、それを受け取る人がいることに心から感謝したい。これからも時代を変える服を作っていきたい」と語った。

 梶原加奈子氏は「コロナで社会が大きく変わり、テキスタイルデザインが注目されたことは励みになる。これからも人々の喜びや幸せをデザインに落とし込んでいきたい」と語った。

 金井工芸の金井志人専務は「1300年以上の歴史がある泥染めの技法で、アパレルやインテリアの仕事も多い。受賞は奄美の文化への評価と受け止め、次の世代につなぎたい」と語った。

 グリーンダウンプロジェクトの長井一浩代表理事は「環境保護に加え、障害者の新たな雇用の場としてプロジェクトを作り、今では全国600以上の回収拠点、130以上の企業や団体に拡大した。今後も共感を大事に参加を勧めていく」とした。

 選考は新井選考委員長のほか、重松理ユナイテッドアローズ名誉会長、杉江俊彦三越伊勢丹ホールディングス社長、安原弘展ワコールホールディングス社長、保元道宣オンワードホールディングス社長による選考委員会で決定された。

繊研賞受賞者(左から金井氏、長井氏、梶原氏、森永氏)


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