佐藤せんせの算数で極めるMDへの道④
大手セレクトショップでMD(マーチャンダイザー)を務めていたマサ佐藤。バリバリと仕事をしていたマサだがその実、30代後半になるまで数値管理にはまったく疎(うと)く、本格的に始めたのは大手チェーン店に契約社員として入社した38歳になってからという。
そこで鍛えられてフリーランスになったマサは、夜ごと、ホームである三軒茶屋界わいで、悩めるバイヤーやMDに講義を行っている。自称・三茶大学の先生であるマサ佐藤の20余回にわたる講義を覗いてみた。
■ 前回のレポートはこちら→MDの仕事、役割とは?
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Dさん。まずはこの以下の表を見てみてください。
なんですか!この数字ばかりのややこしそうな表!
これはMDが通常利用する基軸となる表ですね。会社・ブランド・ショップにとっての中心となるものと言ってもよいですね。
これ何表って言うんですか?
私なんかはこれをOTB表と呼んでますね。OTB(open to buy)直訳すると、「買うために開ける」。ただ意味合いとしては、売上・粗利益・仕入・在庫表と言った感じですかね~。表の書式は会社によって違うでしょうけど。
へ~。なるほど。うちの会社では見たことがありませんね。うちは上の表のように売上・粗利益・仕入・在庫を連動した表はありませんし、ましてや前回も言いましたがMDが粗利益を管理・コントロールしているとは知りませんでした。
うーん、なるほど。
あっ!あと一つ違うところが、私の会社は仕入・在庫を原価で管理してません。上代(売価)で管理してます。
おっ。いいところに気づきましたね。この表の基本は一番上の売上以外は実は原価管理なんです。その意味は後々の講義で詳しく説明するとして、この表を理解するには、2つのことをよく理解しなければいけません。
2つのことって何ですか?
2つのこととは…
1. 売価・原価・粗利益・値入をよく理解すること
2. OTBのロジックを知ること
(期首在庫+期間仕入原価=期間売上原価+期末在庫)
へ~。そうなんですね。1のことは前回も言われたので、なんとなく理解できますが、2については????です。
そうでしょうね(笑)。前回の問題は1のことに関連してますからね~。次回は1のことについて詳しく説明しています。ということで次回に向けて問題です。
原価率が25%で仕入れた商品を40%オフで売った場合、粗利率は何%になるでしょう。
え~。またですか?でも前回勉強したので頑張ります。
95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。
02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。
10年よりフリーランスとして活動開始。
シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。
その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、
様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。
小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。
現在、多方面で活躍中
www.msmd.jp