算数で極める達人MDへの道《第2講》㉓(佐藤正臣)

2021/07/09 05:00 更新


値入率と粗利率の設定をしてみよう!②

*佐藤さんの過去ブログはこちら

では、今回はDさんのショップを基に、値入率の戦略を考えていきましょう!


へい。よろしくお願い致しますm(__)m


今回のこの講義におけるDさんのショップの設定を改めて確認致しますと、以下のようになります。


・10店舗展開のセレクトショップ。自社商品60%。他社商品40%の売上構成
・自社と他社の値入率(仕入原価率)には、かなりの差がある
・レディースのショップでカテゴリー(品種)別の売上予算は、かなり変動する
・衣料品以外に服飾雑貨も展開(Dさんは、過去服飾雑貨のバイヤー)
・店頭鮮度を重視しているせいか、店頭がよく商品で溢れかえる
・商品によっては、年間置いてある定番商品もあります


そして事業の予算の大枠が以下のようになります。


・(年間)売上20億円
・(年間)粗利率50% 粗利益高10億円
・値入率の設定 62%(仕入原価率38%)


そして、今回の講義では前回の記事で触れました...

④ オリジナル商品の構成を増やし、他社商品の構成を下げる。

このことを考えて、値入率の設定。そして、粗利率の設定を考えよう!ということです。


了解致しました(''◇'')ゞ


ここで話を変えますが、Dさんのショップは、カテゴリー単位で自社と他社の売上構成比って違いますよね?


へい。その通りです。弊社で言えば服飾雑貨やアウター類が他社の売上構成比が高く、ブラウスやスカートなどが自社の売上構成比が高くなります。


ですよね~(;^_^A 。ですから、本当は値入率の設定と粗利率設定は、カテゴリー単位でしっかりと考えないといけない!ということになります。


ですね~(;^_^A


ただ、今回はカテゴリー単位でお話すると、話が長くなりすぎて読者の皆様も混乱すると思いますので、一つのカテゴリーに絞って話を進めていきましょう!


へい。そうしましょう(^^)


因みに、今回のDさんのショップの値入率の目標を62%くらいに設定していますが、その数字に近いカテゴリーってありますか?


そこまでカテゴリー単位で値入率を考えたことはないので、微妙なのですが(;^_^A カットソーは近い気がします。あと、せんせ。カットソーは自社商品の他に、自社のネームだけを張り付けた(*)ODM商品があります。

*ODMとは Original Design Manufacturing の略。(メーカー側が)デザインを提案し、採用された製品を生産まで請け負うという形になります。ネームは自社ブランド扱い


では、Dさん。カットソーの自社・ODM・他社の売上構成比と、大体でいいので値入率を教えてもらえますか??


売上構成比は、自社40%。ODM40%。他社20%になります。値入率はそれぞれ、自社70%。ODM60%。他社50%になります。


Dさんブラボー!です。


(◎_◎;)ナニガ、ブラボーナンデスカ?


このケースですと、値入率が62%になります!


やったー!!!( ̄▽ ̄) せんせ。これ私計算できます(''◇'')ゞ


(◎_◎;)そうですか?是非、計算してみてください!!


(自社の売上構成比×自社の値入率)+(ODMの売上構成比×ODMの値入率)+(他社の売上構成比×他社の値入率)=カットソーの値入率

→(40%×70%)+(40%×60%)+(50%×20%)=62%

となります。


ブラボーです!


(さぶっ)せんせが、この講義の第10回目でこの計算をしていたので覚えていました(^^)


では、次回はDさんから、カットソーのMDの現状を聞いて、少しでも値入率が良くならないのか?ということを考えていきます。


では、皆さん次回もお楽しみに(@^^)/~~~

 

佐藤正臣

95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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