そごう横浜店紳士フロア 変化する生活様式に対応

2021/05/06 06:30 更新


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30ブランドを集積し面積を6倍にしたコスメ

 そごう・西武は2月末にそごう横浜店5階紳士フロアを改装オープンした。新型コロナウイルスの感染拡大による生活様式の変化に対応するとともに、偏重していた衣料品などファッション領域の面積を圧縮した。コロナ下でのリアル店の在り方を再定義することを通して、新しい生活様式に合わせたライフスタイル型売り場の構築を目指す。

(松浦治)

オンライン時代に顔周りを重視

 改装の目玉となったのがビューティーゾーンだ。120ブランドを品揃えし、改装前の320平方メートルから550平方メートルに面積を拡大した。コスメはオンライン会議の増加で自分の顔を見る機会が増えたことで、美への顧客ニーズが拡大していると着目。改装前の25平方メートルから6倍の150平方メートルに増床し、30ブランドを集積した。「モニターに映る胸から上を中心とした顔周りの身だしなみが、その人の印象を左右するようになった」(そごう・西武リーシング本部リーシング一部ファッション担当)と新たな売り場開発に踏み切った。

 男性用コスメはメイクからスキンケア、ヘアケア、パフューム、サプリメントまでをラインナップした。顔周りの美やファッションを重視する観点から、アイウェア(金子眼鏡店)、理容室(21・サロン)を導入した。

 コロナ下の生活様式の変化への対応はコスメに限らない。タウンユースできるアウトドアファッションを導入したほか、ゴルフウェアを再編集した。アウトドアスタイルに対応したカジュアルゾーンは「ザ・ノース・フェイス」「ボス・アスレジャー」「ジョセフ・アブード・マウンテン」など50平方メートルの新規売り場に20ブランドを集積した。

アウトドアスタイルに対応したカジュアルゾーン

 ゴルフウェア売り場にはレッスンができるシミュレーターを設置して体験型の拠点にする。いずれも密集や密接を避けられる日常や屋外での過ごし方、楽しみ方をサポートする。

屋外スポーツで密集することのないゴルフに注目

ブランドの垣根を越えて販売

 百貨店の強みであるコンサルティング販売を重視するとともに、効率的な販売オぺレーションを構築する。ビューティーゾーンは売り場の運営を自社社員でなく、販売会社に委託する。委託先の販売員が、ブランドを横断して接客、販売できるようにした。顧客のニーズに合った商品選びのサポートを徹底する。

 同様にシャツ、ネクタイ、肌着、カジュアル衣料などの平場は取引先の販売員が、どのブランドの商品でも販売できるオペレーションの仕組みを整えた。通常はブランドそれぞれに取引先の専門の販売員を配置しており、自社ブランドだけを紹介して接客することがほとんどだった。販売員各自がどのブランドの商品でも販売できるオペレーションにすることで、ブランドやアイテムを横断して接客販売できるようにした。

平場は効率的な販売オペレーションの仕組みを整える

 一人の販売員がワイシャツに合うネクタイを勧めることで、セット率の向上につなげる。さらに、社員がマネジメントだけに専念して自社の販売要員を減らすことで、人件費の削減にも結び付ける狙いだ。

 改装後の売り上げは同一区画面積に対して2.5倍の滑り出しで、「若年層のサラリーマンをはじめ、男性へのプレゼント選びをする女性ら新規顧客が増えている」(そごう横浜店)という。

タブレット端末を使って非対面でワイシャツ選びができる

加速するファッション+機能のスタイル

宮崎剛史そごう・西武リーシング本部リーシング一部ファッション担当

宮崎剛史氏

 アウトドアカジュアルゾーンのリーシングを担当しました。コロナ前からカジュアルの流れが強まっており、タウンユースできるアウトドアのコーディネートが一般化していましたが、コロナ禍で、在宅勤務など自宅で過ごす時間が増えたことで、一気に加速しました。ファッションと機能性を兼ね備えたスタイルの需要がさらに高まっています。

 今回の改装ではタウンユースできるアウトドアファッションをはじめ、手軽にキャンプなどアクティビティーを楽しめるグッズを集積しました。これまでの百貨店はアウトドア関連商品をスポーツ売り場で販売していました。スポーツではなく、紳士売り場でゾーニングすることで、機能性にファッション感度をプラスした快適な日常着をお客様に提供することを目指しました。

 我々の思いは取引先と共有してもらっています。例えば「ザ・ノース・フェイス」はアウトドア・スポーツからタウンまでマルチに活躍するスタイルが揃います。機能性はもちろん、街や旅行のほかビジネスシーンでも着られる「アーバンエクスプローラー」コレクションを揃えています。8月31日までの期間限定店「平屋」(タイラヤ)は、スタイリストの平健一さんをアンバサダーに、デザイン性と機能性に優れたアウトドアアイテムを編集しています。

 コロナ禍で出店交渉はこれまでにない経験をしました。出店の見送りや凍結に直面したこともありましたが、当初のコンセプト通りにオープンすることができました。また、20年春のコロナ第一波で取引先との話し合いはいったん、止まってしまいました。再開したのは5月25日の全面解除後で、Zoomによるオンラインに切り替わりました。当初は双方で不慣れな点もありましたが、時間短縮や定例化などメリットを感じています。実際にオープン後の売り場を見て、再交渉を検討してもらっているブランドもあり、今後の売り場の活性化につなげていきます。

(繊研新聞本紙21年4月9日付)

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