サラーサ企画(東京)は、チュニジアのアパレルや雑貨を輸入販売している。チュニジアらしさがありつつも「日常生活になじむようなデザイン」の商品をセレクトして提案。今後は食や音楽なども絡めながら、「物販にとどまらないチュニジアの魅力を広めていけたら」(梶原美保代表)と話す。
現在の主力商品は、50年以上の歴史を持つアパレルブランド「マリュール・ファディーラ」。主軸のカットソーは、オリジナルのストライプ柄と、表がレーヨン、裏がコットンの二重編みの柔らかな着心地が特徴だ。長袖カットソートップ8800円。チュニジアでは「国民的ブランド」で海外のセレブリティーにも人気があり、「A.P.C.」との協業実績もある。
サラーサ企画は同ブランドの日本での公式販売店となっており、月に1回、期間限定の販売会を開催。次回は21~31日、東京のマーチエキュート神田万世橋にあるフクモリで開く。19年春夏物はジャーナルスタンダード・レリュームにも販売し、今後は「セレクトショップへの卸を広げていきたい」という。現在はレディスのみだが、今後はメンズも扱う予定。
ほかに、チュニジアの伝統工芸を生かした雑貨も販売する。100×200センチの大判布「フータ」(4000円前後)は、本来は現地の男性がハマム(浴場)で使うものをテーブルクロスやビーチタオルなどのマルチクロスとして提案。銅に金メッキ加工したバングルなど作り手から直接買い付けるアクセサリー(1500~1万円)や、手描きの耐熱グラス(1800円)なども扱う。いずれも「工芸品どまりではないデザイン」がポイントで、「日常的に使える質とデザイン」を重視している。
梶原さんは繊維商社で貿易関係のキャリアを積んだ後、17年11月にサラーサ企画を立ち上げ、18年1月から本格的に始動した。パートナーであるチュニジア人のナウフェル・エル・カシールさんが現地に設立した商社HIKARIと連携し、チュニジアの商品を輸入している。チュジニアは地中海の真ん中に位置し、ベルベル文化に様々な国の文化が混ざり合った交差点と言われ、「アフリカとアラブ、ヨーロッパを足して3で割ったような、一言で言い表せないのが魅力」という。
チュニジアには「良い手仕事が残っている小さな工房がたくさんある」ため、今後はそうした工房で作られる「ハンドメイドのドレスなども扱いたい」。商材を食関係にも広げるとともに、ナウフェルさんが楽器を演奏できるため、「食や音楽を絡めたイベントで集客していきたい」と話す。
来年中をめどに、都内にショップを兼ねたオフィスを構えたい考えだ。