病院の売店が“診察室”に 「ファッション外来」の意義とは?

2025/04/21 06:27 更新有料会員限定NEW!


橋本久恵さんは、売店奥の「診察場所」でお直しの相談を受ける。カーテンを閉めれば試着もできる

 金沢駅からバスで30分ほどの石川県済生会金沢病院の売店で、病気や障害を理由に手持ちの服が着られなくなった人向けのリメイクサービス「ファッション外来」を営む洋裁師の橋本久恵さんを取材した。既製品を体に合わせてリメイクするオンラインプラットフォームもある中で、病院内にリアルな場を設ける意義を考えたい。

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「初めの一回」を経験

 橋本さんは病院の売店内に〝診察場所〟を設け、時にはがんサロンにも出張し、訪問者とコミュニケーションをとりながら、ファッションの選択肢を提示してきた。

 今でこそリピーターがついてきたが、初めは利用者の獲得に苦労した。「体の治療はわかるけど、衣服のお直しは考えてもみなかった!」と興味は持ってもらえても、実際の利用まで踏み切る人はそう多くなかったという。

 その要因の一つは価格だ。例えば、シャツの脇をファスナーで切り替えるリメイクは、2750円から。安価な新品が流通する中、リメイクに同等かそれ以上の価格を支払うのはハードルがあった。加えて、もともとファッション好きでなくては、お直しで「一体何ができるのが想像がつかない」人も多かったのが実情だという。

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