レディスウェア「ルルムウ」(東佳苗)はこのほど、初のショーを都内で行った。テーマは「Solitary Wichies」。異端として排除された孤高の魔女たちを、現代女性の内面にも存在する実像と捉え、魔女に見立てた13人のモデルを通過儀礼のような演出で見せた。
ルルムウらしい、ファンシーなニットのレイヤードに、作りのしっかりとしたアウターが加わり、強さを感じさせる女性像へと進化した。裾がほつれたプリーツ仕立てのニットドレスに、レッグオブマトンの袖の白のライダーズジャケット。前髪をなでつけてクリーンな印象を感じさせる一方、ハットを深くかぶっていかにも魔女らしい風貌(ふうぼう)のモデルも。ボリューム袖のジャカードのブラックドレスを着用し、赤のベロアなど複数のテキスタイルをパッチワークしたマフラーを、三つ編みした髪とともに肩から下げる。13人それぞれ、ヘアスタイルも全く異なる形。パーソナリティーに踏み込むように多様性をしっかりと表現し、見ごたえのあるショーとなった。「孤独を感じる女性たちが、内省し、自分を愛する気持ちを持って前向きになれたら」と東。
アートディレクターや衣装デザイナーとしても活動する東は、当初、ハンドメイドニット「縷縷夢兎(るるむう)」を手掛け、19年春夏から工場生産のルルムウでアパレルビジネスを本格化した。これまでは映像や展示会で独自の世界観を見せてきたが、「総合的な見せ方でライブ感を伝えられるのはショーだと思った」という。
(須田渉美)