メンズとウィメンズ、最新デザイナーとビンテージなど二極の間を軽やかに行き来する。楽天ファッション・ウィーク東京24~25年秋冬のショー会場では、そんなスタイリングが光っていた。
(坂入純平)
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メンズはコーディネートの幅がますます広がっている。気になったのは、グローブや小さめのハンドバッグ、ネクタイなど小物の使い方。テクニシャンな若者が多い。
中でも特に印象深かったのはレースのグローブだ。長髪にひげを生やした古着屋「ヒガン」のオーナーは、ギラギラ光るスパンコールドレスに白の繊細なレースのグローブをした攻めスタイル。おしゃれな若者がこの店によく行くと話していたことを思い出す。オーナーのカッコよさが人を引きつけるのだろう。ほかにも「オマールアフリディ」のパープルのレザーグローブ、スタイリングの外しでスポーツブランドのグローブの人もいた。
可愛らしい印象の小さめハンドバッグは、肩掛けでなくあえて手持ちするのがポイントだ。そして、ブラックタイもじわじわ広がっている。スカートをはいてタイドアップしたスタイルがクール。
ウィメンズはマスキュリン&フェミニンが継続中。肩パッドの入ったジャケットのフェミニンな着こなしが目立った。ジャケットは古着のメンズスーツが多い。インナーはシアーのセカンドスキントップやキラキラのラメトップ、ボトムをフリルスカートにしたガーリー要素強めの人も。
カラータイツが人気になっている。レッドやブルーなど派手な色で、着こなしのバリエーションも豊富。丈が長めのジャケットに真っ赤なタイツを合わせたボトムレス風の今っぽいスタイルもあった。バッグなどは、トレンドデザインと高すぎない価格の韓国ブランドが支持を集める。日本に進出したばかりの「FOTTSFOTTS」(フォッツフォッツ)をよく見かけた。
今シーズンはSNSなどで一般来場客を募集したブランドが多かった。「エムエーエスユー」のイベントは〝MASUBOYS〟(ファンの通称)が集まった。後藤愼平デザイナーの影響か、キャップをかぶっている人が多い。一般公開で4000人規模のショーを開催した「ミキオサカベ」では、「グラウンズ」を履いたファンなど、とことんガーリーなスタイルのファンでにぎわった。