楽天ファッション・ウィーク東京24年秋冬 変化する女性像を描く

2024/03/21 14:00 更新有料会員限定


 楽天ファッション・ウィーク東京24年秋冬は、現代の女性像をどう表現するかが着眼点の一つになった。マスキュリン、フェミニンの捉え方や既存のスタイルにそれぞれの価値観を加え、新しく発展させている。

(須田渉美、写真=サポートサーフェス、クイーンアンドジャックは加茂ヒロユキ、アキコアオキ、ミスターイット、フォトコピューは堀内智博)

【関連記事】楽天ファッション・ウィーク東京24年秋冬 デジタル発表のブランド、強みを分かりやすく描く

 サポートサーフェス(研壁宣男)は、研壁が嫌いだという言葉「可愛い」に向き合った。24年春夏は布を寄せて作る、躍動感のあるドレープシルエットに特徴を出していたが、今回はその手法をエアリーな膨らみを持ったディテールに落とし込む。ネックラインをつまんで作った花のような輪郭をアクセントにしたブラウスや袋状のラッフルが連なるノースリーブトップ。深いドレープで作った変形スリーブのブラウスもある。

 気軽に着用できて、エレガントさやフェミ二ンな魅力もある、リアリティーを持った造形への挑戦を感じさせた。それらをブラックの異なる素材に置き換える。カットジャカートで立体感を強調したり、シースルーの花柄で素肌をのぞかせたり。可愛いという抽象的な概念を、具体性を持って多面的に見せた。ウールコートの造形も進化した。袖を開放的に作った変形ラグランスリーブやフレンチスリーブ風のカットで女性らしい肩の線を出し、汎用性のあるフォルムに仕上げている。

サポートサーフェス
サポートサーフェス
サポートサーフェス

 アキコアオキ(青木明子)の会場は、国立代々木競技場第一体育館の奥にある地下室のような空間。無機質なコンクリートの壁面を背景に、フェティッシュな表情のテーラーリングの変形スタイルを見せた。「自分の部屋に戻った女性が服を脱ぐときの、一つの着ぐるみをはがす過程に感じる哀愁」に着目した。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約すると続きを読むことができます。

ログイン契約して読む

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード電子版購読者限定ピックアップニュース



この記事に関連する記事