楽天グループ、広告売上高2000億円へ 〝リテールメディア〟で伸ばす 松村亮常務に聞く「可能性」

2023/12/27 07:58 更新


松村亮常務執行役員コマース&マーケティングカンパニーヴァイスプレジデント

 ECモールやECサイトで、集客力やブランド力を生かした広告事業〝リテールメディア〟が伸びている。楽天グループもその一つ。10年から開始した広告事業の売上高が23年12月期には2000億円に達する見込み。大手テレビ局の広告売り上げに匹敵する規模だ。注目を集めるリテールメディアの潮流を松村亮常務執行役員コマース&マーケティングカンパニーヴァイスプレジデントに聞いた。

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 一般的にデジタル広告は過去20年で三つの波があった。最初はグーグルに代表されるサーチ系広告で、00年から10年ほど台頭。次がソーシャル系デジタル広告で、フェイスブック、X(旧ツイッター)、LINEなどで活発となった。そしてコロナ禍から第三の波としてリテールメディアが出てきた。

 日本でリテールメディアはどちらかというとオフラインの色が濃く、コンビニでのディスプレー広告のような一側面での活用が目立っていた。しかし、従来はECと非常に関連が深く、海外ではECでの活用が主流だ。実際に物を売り、消費者の購買意欲が高い所で広告を打つことで、効果が高いと認識され始めた。

 楽天市場での広告事業もここに来てさらに活発化している。販促だけでなく、ブランディング、マーケティングのために投資する企業が増えている。直接は楽天市場に出店のないナショナルブランド、グローバルブランドの出稿もあり、そのブランド商品を扱う出店者への波及効果を生んでいる。今後、ECで物を売る力が高まるほど、必然的に広告への投資も集まるだろう。グループの強みであるオフライン決済などとも連携しながらニーズを捉え、取り組みを強化したい。

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