梅雨も楽しい企画いろいろ

2016/06/04 06:25 更新



《センケンコミュニティー》シンギン・イン・ザ・レイン ―― 雨に唄(うた)えば

 梅雨前線北上中――〝紫の雨が降り続く〟なかで「湿度が上がってうっとしいッ」なんて思うのはもったいないではありませんか。こんな時期だからこそ、シンギン・イン・ザ・レイン(雨に唄(うた)えば)。〝頭上の雲を、笑ってやるさ、僕の心は太陽がいっぱい〟。そんな気持ちで業界を見渡せば、雨にちなんだコトやモノがいっぱいです。

 

■50年以上続く催事 松屋の「百傘会」 あふれる2000種類の傘
■雨データを販促に 池袋パルコ 屋上に「降雨検知センサー」
■傘貸します エトワール海渡 「恕」の理念が生んだ“エト傘”
■傘専門店 自由が丘の「クール・マジック・シューズ」 ビル丸ごと傘だけ!ユニーク商品も
●降雨を知らせる百貨店BGM あなたのお気に入りは?

 

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■50年以上続く催事 松屋の「百傘会」 あふれる2000種類の傘

 

満開の傘でお出迎え(写真は去年のものです)
写真=満開の傘でお出迎え(写真は去年のものです)

 


 松屋銀座本店には、梅雨時に50年以上続けている定番催事「百傘会」(ひゃくさんかい)がある。吹き抜け部分に100本以上の傘をディスプレーして、傘やレイングッズを販売する同催事は、見るだけでも気分が高揚し、傘を差すことを楽しいと思わせてくれる。あまり傘を差す習慣のない外国人客が興味津々な様子もここ数年で増えている。

 今年は「アンブレラジャングル」をテーマに、11~30日まで開催する。傘であふれるジャングルをイメージした会場に、「オーロラ」などの定番ブランドから、インポートやオリジナルの傘まで、品揃えは約2000種類。松屋オリジナルの傘は植物、動物、海や森など、自然をモチーフにした柄を中心に約100種類を販売する。

 また19日まで、気象庁が午前5時に発表した天気が雨マーク、または開店中に銀座エリアで雨が降った日には、各売り場で食品増量サービスや無料ハンドマッサージなどを実施している。松屋には、雨の日を楽しく過ごせる仕掛けがいっぱいだ。


■雨データを販促に 池袋パルコ 屋上に「降雨検知センサー」

 

 雨が及ぼす影響を可視化して販促に活用――。アパレル業界をずっと悩ましてきた天候の変化に、パルコが立ち向かっている。

 4月上旬、池袋パルコの屋上に「降雨検知センサー」を設置した。降雨の有無や、照度、温度、湿度を計測し、ショップごとの売り上げや買い上げ件数のデータと照らし合わせるのが狙いだ。

 設置して間もないため分析はこれからだが、降雨時のショップの売り上げや売れる商品がどう変化するかなどを把握して、リアルタイムの天候の変化に合わせて販促を打ったり、テナントに品揃えのアドバイスをする。

 たとえば「雨が降ると売り上げはファッションが下がり、レストランは上がる。これが数値で示されれば、雨が降った瞬間に、来館者へアプリを通じてレストランのクーポン情報を送る」など、同社のアプリ「ポケットパルコ」と連動させて活用する考えだ。

 この降雨検知センサーの価格は約1万円とお手頃。しかも手作りで、制作したのはパルコやテナントの有志で構成する「パルコIoT部」のメンバーたち。「自分たちで作るほうがデータを収集・分析するモチベーションにつながる」といい、順次他店にも設置する。

 

パルコの同好会「IoT部」が自作した
パルコの同好会「IoT部」が自作した
池袋パルコの降雨検知センサー
池袋パルコの降雨検知センサー

 

■傘貸します エトワール海渡 「恕」の理念が生んだ”エト傘”

 

傘の大振りのサイズは、即店頭に並ぶ大切な商品を濡らさない配慮があるv
傘の大振りのサイズは、即店頭に並ぶ大切な商品を濡らさない配慮がある

 


 現金卸のエトワール海渡は、雨の日に訪れたバイヤーへのサービスとして、青・緑・赤の三配色の通称〝エト傘〟を貸し出している。

 エト傘は同社本館とリビング館のほか、来客用駐車場にそれぞれ配置している。65㌢サイズの大ぶりな傘は、店に足を運んだバイヤーや、大切な商品を濡らさないことに配慮したもの。

 「当社のお客様のなかには、館の午前9時のオープンと同時に買い付けて、昼前には自らの店頭で販売される方も多い。お客様にとって大切な商品を雨で濡らすことはできません」と言う。傘は常時500本程度を用意。定期的に追加して欠かさないようにしている。馬喰町、横山町かいわいの他店で買い回りをするバイヤーにも重宝がられている。

 エト傘が設置されるようになった経緯について同社は「50年以上前からあるのですが、定かではありません。しかし、前会長の故海渡五郎が大切にしていた言葉、〝恕(じょ)〟の理念が生かされていることは確かです」。江戸日本橋の商人に息づいてきた〝恕〟の精神。人の立場や心情を察する、日々のもてなしの気持ちが、自然と今のエト傘のかたちとなった。

 

■傘専門店 自由が丘の「クール・マジック・シューズ」 ビル丸ごと傘だけ!ユニーク商品も

 

新商品の傘もどんどん入荷され、リピーターを飽きさせない
新商品の傘もどんどん入荷され、リピーターを飽きさせない

 


 東京・自由が丘にある「クール・マジック・シューズ」は、ビル丸ごと傘だけを扱う店だ。運営しているのは、コンビニエンスストアでもよく見かける傘ブランド「ウォーターフロント」を手がける、傘メーカーのシューズセレクション。1~3階が売り場、4階がショールームとなっている。店内には500種類、1万本もの傘を揃え、頻繁に新商品も投入されている。

 売れ筋商品は、折りたたみ傘だとコンパクトで軽く、携帯しやすい晴雨兼用タイプ。最近は、熱中症予防に男性が購入するケースも増えている。

 ユニークなアイデア傘も多い。ワンタッチで閉じられる傘は、車に乗り込むときなどに便利。消防士服から着想したアルミコーティングの傘は、遮熱効果が高いのが特徴。夏の炎天下、外回りで大汗をかいていた銀行員のために開発したという。扇風機付きの傘もある。

 年配客には、軸にステッキが内蔵された傘。体重を支えられるような丈夫な作りで、降雨時はステッキのみを抜き出して傘と分けて使える。

 ちなみに、シューズという店名、社名からときどき靴の会社と勘違いされるが、社長の名前に含まれる〝秀〟が由来だそうだ。

 


●降雨を知らせる百貨店BGM あなたのお気に入りは?

 雨がポツンと降りだすと、百貨店ではいつもと違う音楽が流れる。これは販売員が商品の雨よけカバーなどを準備するため。雨模様の日には、近くの百貨店でお気に入りのBGMを探してみて。

 降雨を知らせる音楽は、映画の挿入歌である「雨に濡れても」と「雨に唄えば」が圧倒的だ。その分、東急百貨店の「雨音はショパンの調べ」、大丸京都店の「悲しき雨音」は個性が光る。雨が止んだときは、ミュージカル映画『オズの魔法使い』の劇中歌「虹の彼方に」が最も多く使われている。

雨に濡れても

https://youtu.be/mFvqHri0SZI

雨に唄えば

https://youtu.be/w40ushYAaYA

虹の彼方に

https://youtu.be/X96sdKIxbdc


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