プリ子と学ぶインナー・レッグウェア業界の「今」

2018/08/05 06:30 更新


インナー・レッグウェア市場の今とそれを取り巻く環境を、業界ビギナーのプリ子が繊研新聞社の記者に聞きます。

Q.インナーやレッグウェアの業界構造は?

A. インナーとは、ブラジャー、ガードル、ランジェリー、男女の肌着、パジャマなどナイトウェアなどのことを指します。レッグウェアはストッキング・タイツ、男女の靴下のことです。ワコールやグンゼなどの大企業から、産地の中小メーカーまで数多くの会社が商品を生産、販売しています。

インナー製品の市場規模は、レディスが6200億円、メンズが2600億円、レッグウェアは6200億円と推定されています。


Q.どんな企業があるのですか?

A. レディスインナーは、ワコール、トリンプ・インターナショナル・ジャパン、紳士肌着はグンゼやフジボウアパレル、レッグウェアは岡本、グンゼ、福助、アツギ、助野、ナイガイなどが代表企業です。

かつてはこうしたNB(ナショナルブランド)をメーカーが小売店に販売、それぞれの市場で大きなシェアを握っていましたが、近年は「ユニクロ」に代表されるSPA(製造小売業)、小売店が自ら商品を企画・生産、販売するPB(プライベートブランド)なども伸び、業界構造は変化してきています。

タビオやチュチュアンナをはじめ靴下SPAと呼ばれる企業や無店舗企業も存在感があります。無店舗ではカタログ通販や補整肌着の訪問販売などの有力企業がありますし、白鳩のようなネット販売専業で成長する企業も出てきています。

靴下屋

Q.企業の動きや注目の商品は?

A. ネット販売の伸びを背景に、ネットとリアルでの販売など多様な販路で相乗効果を生み出す「オムニチャネル戦略」が大きな脚光を浴びています。スマートフォン専用アプリやSNSによる情報発信も重要になってきました。

インナーや靴下は実用衣料の性格が強いため、アウターに比べれば比較的安定した業界と言われていますが、ネット販売の伸びとともに、個々のニーズに対応したきめ細かい対応が重要になってきました。

インナーの商品トレンドではブラジャーの変化が目立ちます。特にノンワイヤブラやカップ付きトップなど、楽な着け心地ながら一定の造形性を持つ商品が増えています。リラックスやナチュラルという洋服のトレンドや、女性の価値観の変化を捉えた商品といえるでしょう。

ユニクロのワイヤレスブラ


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