三陽商会の婦人服ブランド「ポール・スチュアート」の17年秋冬商戦が好調だ。エグゼクティブキャリアに向けたバッグやジャケットの販売が伸びている。今後、本格的なコート商戦に向けてもキャリア向けを拡充する構えた。
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ポール・スチュアートは9月から10月中旬までのプロパー販売による売上高が前年同期比で約10%増と堅調に推移している。特に雑貨関連が9月単月で65%増と大幅に拡大。今秋冬に発売したビジネスバッグ企画「ファーストバッグ」がヒットした。
「バッグアイテムに限定すると既に4.5倍の売り上げ」となっており、ファーストバッグは追加生産に入った。ビジネス感を強調しない女性らしい曲線的なフォルムが特徴。ナチュラルなシボ感のゴートレザータイプ(7万円)と、牛革のクロコダイル型押しタイプ(8万円)の2タイプを揃える。13カ所のポケットや仕切りを付けた機能性、角型2号(A4サイズ)の封筒が折らずに入る収納力もキャリア層のニーズを捉えた。
ジャケットもエグゼクティブキャリア向けの「ファーストジャケット」を中心に販売が10%増となった。紳士服のテーラリング技術を生かした企画でテーラードジャケット(7万9000円)とVカラータイプ(7万6000円)を揃える。リップスティックやスマートフォンなどを収納する機能的な五つの内ポケットがあるのも特徴だ。
ジャケットの販売に連動してブラウスの動きも好調で、9月から10月上旬の売り上げは135%増となった。カラーはホワイトや淡いピンク、ブルーが売れ筋。きちんと感がありながら、ウォッシャブルでしわになりにくいイージーケア性がキャリア層に支持されている。
今冬の本格的なコート商戦に向けてポール・スチュアートは11月初旬から「ファーストコート」(18万円)を店頭投入する。「上質でエレガントなコンテンポラリー・クラシック」をコンセプトにしたコート。かさ高性のあるウールとカシミヤの複合素材を使用して、軽さと膨らみ感、着心地の良さを追求した。パスポートを入れることを想定したファスナー付き内ポケットなど機能性もある。ビジネスシーンに対応する商品の充実で市場拡大を狙う。