パリ・ファッションウィーク前半は、日本人デザイナーのショーも相次いでいる。
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すっかりパリの常連となったアンリアレイジは、エアで膨らんだバルーンアイテムで観客を驚かせた。夏のガテン系ワークウェアでおなじみとなった電動ファン付きアウターだが、その電動ファンを使って全く違う発想のアイテムを作った。それはファンと空気をはらむ素材を組み合わせてエアでフォルムを変える服だ。しぼんでいる服が、ファンを作動させると風船のように膨らんで独特のフォルムを作る。バルーンのセットアップ、ウサギの耳のようにショルダーが膨らんだトップ、イソギンチャクのようにいびつに膨らんだトップなど形は様々。そこにドットやチェック、解体された千鳥柄のようなプリントを重ねた。
(小笠原拓郎、写真=大原広和)
CFCLのショーは、スロべニアのアーティストによる古楽器の演奏で始まった。民族的な音が響くなか、平面のパターンにニットのテクノロジーを掛け合わせる。前後の身頃を縫い合わせてヘムを外に折り返したジャケット、ベアトップのドレスはニットが体のラインを強調し、外側のヘムラインが揺れる。シアーなトップは、異なる配色をレイヤーした着こなしがエレガント。フリンジやスパンコールの装飾でクラフト要素を取り入れる。レース状の有機的なモチーフが重なったドレスも。
(須田渉美)