組織のリーダーやマネジャーは、様々な矛盾や葛藤を抱えています。短期的な成果とチームメンバーの成長をどのように両立させるか、既存商品の売り上げ拡大と新規商品の開発をどのようにバランスさせるかなど枚挙にいとまがありません。
パラドックスはどこ?
具体例として、店舗におけるスタッフのシフト管理を考えてみましょう。店舗として一貫した方針で勤務のシフトを決めていますが、あるスタッフから「事情があるからシフトを変えてほしい」という要望をもらったとします。このときに、マネジャーは店舗としての一貫性と、スタッフの個別性のどちらを優先するかに悩むことになります。
このような葛藤をジレンマとして捉え、択一的な選択に偏ってしまうと、中長期的にマイナスの影響がでることがあります。この例でいえば、店舗の方針を堅持したために、スタッフの離職につながったとか、個別事情を勘案しすぎたために不公平感が高まりスタッフ全体のモチベーション低下につながったなどです。
このような葛藤は、二者択一の選択肢「ジレンマ」として捉えることもできますが、「パラドックス」と捉えることもできます。パラドックスとは、一見相反するが、相互依存し、永続する要素のことを指します。
先ほどの例には、どのようなパラドックスが隠れているかわかりますか?
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