パンテック、再生プラ原料の拠点を開設 高度な解析で品質を担保

2023/12/12 06:25 更新


滋賀県栗東市に開設したサーキュラー・デザイン・センター

 プラスチックの循環を支援するパンテック(大津市)は、滋賀県栗東市に「サーキュラー・デザイン・センター」(CDC)を開設した。「世界中のあらゆる廃棄プラスチック」を対象に排出量や流通データの収集、再生プラスチック原料の物性を解析する。高い精度で物性を測定できる最先端の機器を揃え、解析データを蓄積する。そうしたデータに基づいて品質を担保し、「顧客の品質要求に応える」という。

 CDCの試験室には「導入コストより測定精度を重視し、全て日本製の機器を揃えた」という。例えば、物性測定のためのダンベル試験片を製造する射出成型機や、同試験片を加工して衝撃試験片を作成するノッチ加工機をはじめ、金属の含有および含有量を測る蛍光X線分析装置などだ。同装置はEU(欧州連合)がRoHS指令で規制する有害物質の一般的な測定もできる。

試験室のほか開放的なワークスペースや会議室、飲食ができる休憩スペースも設けた

 黒木正明社長は、世界的な再生原料の需要拡大を背景に「再生原料の品質向上は避けて通れない課題」と強調する。「最新の設備を充実して物性を解析し、デジタル技術を駆使して世界のプラスチック廃棄物のデータベース化を実現する」という。黒木慶一専務は「再生原料なら何でもいいわけではない」とし、「原料の由来を明確に示し、品質を担保してメーカーが安心して使える素材を提供する」と話している。

世界のあらゆる廃棄プラスチックのデータベース化を目指す
黒木正明パンテック社長

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