パーソナルオーダーで接客の腕上げる

2016/08/15 06:39 更新


 オンワード樫山が百貨店メンズフロアで運営するパーソナルオーダー売り場は今春夏の売り上げが前年を上回っている。特に6、7月はプロパー売り上げが2ケタ増で推移した。若い販売スタッフの育成に力を入れて客単価が上昇し、30~40代の新規顧客開拓にも成功した。

 紳士スーツ市場では客数が伸びない中、盛夏でもスペアパンツ付きスーツやスリーピースなどの提案で単価の向上につなげている。顧客がボタンなど細部のディテールまでカスタマイズできる楽しさも単価上昇の要因になっている。

  スーツの平均単価は8万~9万円だが10万円超の購入も増えている。特に都心百貨店の客はここ数年、高額品を購入する傾向が強く20万~30万円のスーツも動いている。

 オーダーの場合、販売のピークは春夏が3~4月、秋冬が10~11月だが、それ以降も次シーズンの商品の需要を喚起することができる強みがある。高級ブランドの「ヘンリープール」ではセール時期の7月に秋冬のプロパー品を訴求して成果が出ている。

  従来の中心顧客より若い30~40代にはスタイリング提案も受けている。百貨店内の常設売り場に加え、別スペースでスタイリング訴求をした高島屋横浜店の取り組みなどは新規顧客の獲得につながっている。

 販売スタッフの人材育成では年12回の研修会を10年間続けており、素材やスタイリング、服飾の歴史などを学んでいる。正確で丁寧な採寸や幅広い話題の会話など接客力の向上を継続的に積み重ねたことで納得して購入する顧客層が増えている。

「チフォネリ」「ヘンリープール」などの高級ブランドの提案も充実(16~17年秋冬展)



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