「今の成功をゼロと考えて、商社の新しいビジネスモデルを作らないといけない」。伊藤忠商事の岡藤正広社長は11日、会見で危機感をあらわにした。
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伊藤忠商事の18年3月期の連結純利益(IFRSベース)は4000億円を計画、「達成できる」見通し。業績は順調に推移しているが、IT(情報技術)関連で台頭する米国や中国企業に対しては「商社はほとんど接点を持てていない」。難易度は高くても、「トレードや投資といった従来の切り口ではなく、新たなモデルを提案し、接点を作っていく」などビジネスモデルの転換が必要と判断した。
「小さなとっかかりから広げていけばいい。芽は見えている」ため、まずは得意の生活・消費関連で仕掛ける考え。来期から始まる新中期経営計画でも「思い切った施策を出す」方針。「新たなモデルを生み出すために鍵となるのは優秀な人材」とし、組織や人事も見直す予定。好業績におごることなく、さらなる成長を目指す。