シルクジャカード織りを手掛ける小倉織物(石川県小松市)は、メガネの森(同)と協業し、端材のシルクを再利用した、ファッションアイテムとしてのサングラス「Kinu-Glass」(キヌグラス)を6月27日から販売する。能登半島地震から約半年が経ち、石川県内や全国に明るいニュースを届けるために開発した。
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通常サングラスは日差しを軽減するアイテムとして使うが、キヌグラスはレンズの代わりに生産時に出る様々な模様のシルクの端切れを使用。目にかけることはできないが日本にしかできない伝統文化や技法を象徴するファッションアイテムとして訴求する。
織り密度の違いで柄を付けたものや、ダルメシアンのような水玉模様などの8種類を揃えた。余りを使うため、一部は数量限定となる。税込み3万3550円で、受注生産で販売する。
同社は1895年に小松市で創業。一時期は後継者難や原料の高騰などで廃業の危機に陥ったが、社長の娘たちによる新ブランド立ち上げやSNSの発信強化などで回復しつつある。小倉久英社長は「家業の危機に立ち上がってくれた子供たちのために、今までにない次世代を見据えたアイテム開発に取り組んだ。今後も新製品の開発に力を入れ、小倉織物の認知を高めたい」と話す。