ニュージーランド北島襲ったサイクロン、ウール業界にも被害　アワトト地区洗毛工場が浸水

　ニュージーランド（NZ）を襲った大型サイクロン「ガブリエル」による被害は、現地のウール業界にも及んでいる。とりわけ羊毛加工の中心地の一つで洗毛工場が集まっているホークスべイ地域のアワトトの被害は大きく、浸水した羊毛俵4700トン余りが引き取り不可能になっている。中国など加工依頼国で「汚染されたウールが輸出される」といった偽情報が流れたため、現地の大手ウール加工企業ウールワークスなどはこれらを打ち消すため、「アワトト地区の復旧と南島の洗毛工場のフル稼働で加工サプライチェーンは早期に回復する」とアナウンスした。

（浅岡達夫）

　サイクロンは2月第2週末に北島を襲った。これを受け政府は14日に非常事態宣言を発令した。被害総額は80億NZドルにもなると予想されているが、大きな被害を受けたアワトトの洗毛工場は「最大50センチの浸水が続いている」状況で、復旧には数カ月かかるとしている。